中国発「W11」ECセール 今年は10月14日からスタート 政府補助金も初導入
「天猫(Tmall)」が行った今年の「W11」ECセールのキックオフイベント
「ダブル・イレブン(W11)」とは、中国で毎年11月11日に開催されるECのセールキャンペーンで、中国のEC大手アリババグループ傘下の「淘宝網(Taobao)」と「天猫(Tmall)」が2009年11月に独身者向けにECセールを仕掛けたことから始まり、現在では、年に1度の中国最大規模のECイベントとして発展してきました。Tmallの発表によりますと、今年の「W11」イベントは例年より早く、北京時間10月14日の午後8時から始まり、ほぼ1カ月の間に盛り上がります。各種商品の割引や値下げのほか、Tmallでは追加で300億元(約6000億円)のクーポン券や消費券を投入します。消費券1枚の最大金額は888元(約1万8000円)で、消費者1人が1日に最大1500元(約3万円)の消費券を受け取ることができます。
特に、今年のW11イベントでは、その他のECセールの割引と併用できる政府補助金が初めて導入されます。家電製品を例に取ると、政府補助金+天猫クーポン+メーカー側の割引などの優遇を同時に適用すると、4割引きという前例のない価格となりそうです。美的集団、ハイアール、格力電気(グリー)、TCL、ハイセンス、パナソニック、シーメンスなどの家電大手1000社以上が参加し、対象となる家電製品は3万種以上に及びます。
また、今年からはウィーチャットペイ(WeChat Pay)がアリババ系ECサイトで使用できるようになりました。アリババグループの呉嘉副総裁は、「ウィーチャットペイとつなげることで、消費者により多くの決済チャンネルを提供し、消費者の使い勝手も大いに向上する。ウィーチャットペイを使い慣れた若年層と中高年の消費者も加わって、今年のW11は史上最多の消費者を動員するだろう」と楽観視しています。また、呉副総裁によりますと、今年のW11ではTmallはEC大手「京東(JD)」傘下の京東物流とも直接つながることから、配送サービスの面で企業側、消費者側のいずれにもより多くの選択肢が提供されることになります。
さらに、Tmallのデータによりますと、年間88元(約1800円)の会費を支払う88VIP会員数は過去1年も引き続き2桁の伸びを見せています。そのうち2000年以降に生まれた10~20代の会員数が前年比で67%増加し、会員総数は4200万人を上回って、有料EC会員としては中国国内最大規模となりました。