【CRI時評】新たな質の生産力は世界経済の新たな活力でもある
「新たな質の生産力」が中国の経済分野におけるホットワードになっている。閉幕したばかりの中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(三中全会)は、改革の一層の全面的進化に向けた新たな青写真を描き、新たな質の生産力の体制と仕組みを健全かつその土地に適して発展させる必要性を提起した。あるアナリストによると、これは、関連する改革を通じて、新たな質の生産力の育成や発展により良い制度的環境をつくり出し、質の高い発展の実現と中国式現代化の推進に強力なエネルギーを提供するという中国の決意を物語る。
各地の実情に適した発展計画の策定から、一連の政策およびそれに付帯する改革への支持に至るまで、中国という大地の上で、新たな質の生産力が勢いよく育っている。
今年上半期の中国の一定規模以上(年売上高2000万元以上の企業)のハイテク製造業の付加価値額は前年同期比8.7%増で、ハイテク産業の投資額は同10.6%増だった。情報伝達やソフトウエア、ITに代表される現代サービス業の付加価値額も2桁の伸びを保った。インテリジェント製品の生産量は、3Dプリンターが同51.6%増、サービス用ロボットが同22.8%増、スマートウオッチが同10.9%増だった。集積回路や新エネルギー車、太陽電池などの業界のパフォーマンスも目を引き、経済発展に向けた新たなエネルギーを蓄えた。
新たな質の生産力という概念が打ち出されると、多国籍企業はすぐに、それが巨大な市場の機会を意味すると鋭敏に意識し、続々と中国への投資を強化した。今年上半期に中国ハイテク製造業の投資誘致比率は増加し、新設された外資系企業の数も増加した。英製薬大手アストラゼネカは中国に低分子革新医薬品の工場を新設する。独総合電機大手シーメンスは中国のインテリジェント製造や高度道路交通などの市場開拓に一層力を入れる。米IT大手アップルは多額の予算を投じて上海に応用研究所を設立する。これらの企業にとってみれば、中国という超大規模市場を深耕し、新しい技術や需要、業態に焦点を当て、中国式現代化建設に加われば、必ず手厚い見返りを得られるとみているからだろう。
世界最大の再生可能エネルギー市場であり、関連設備の製造国である中国は、世界に良質な製品を供給し続け、世界規模のグリーン・低炭素転換も力強く促してきた。中国の著名な新エネルギー企業である陽光電源(サングロー・パワー・サプライ)はこのほど、サウジアラビアのアルギハズと世界最大のエネルギー貯蔵プロジェクトを契約した。これは中国の新たな質の生産力が世界の発展に恩恵をもたらす生き生きとした事例だ。
新興産業が勃興し、グリーン発展が活気に満ちる。新しい方向へ進む中国経済は、世界を見渡しても、得難い輝きとなっている。中国が改革を一層全面的に深化させるにつれて、新たな質の生産力はより勢い盛んなエネルギーを放出し、質の高い発展と中国式現代化建設に力を添え、世界経済に新たな活力を注ぎ込むと予見できる。