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私はこう生きてきた長老から若者へのメッセージ~早稲田大学元総長西原春夫さんに聞く

CRIPublished: 2021-09-28 20:15:00
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それだけじゃなくて、そういう中で、私が段々と思いを強くしたのは、良いことも悪いことも、全ては天のシナリオなんだということです。そのように感じるようなことが、積み重なってきたんですね。年を取るにつれて、感情が少し鈍くなってきたこともあるかもしれないけれども、全ては天のさしずなんだと、嘆いてもしょうがないという考えがだんだん強くなってきたから、喜怒哀楽を越えられるようになったんだと思います。

――自分の追い求める目標があることも不可欠のようですね。

さっきも話しましたが、私は線の細い文学少年でしたから、対立や喧嘩が嫌で、自分がするのも嫌ですし、人が喧嘩するのを見るのも嫌なんですね。そういうわけで、周りで喧嘩があったらそれを止めたくなる。そういう経験を段々と積んできました。「東アジアを戦争のない地域にしましょうよ」という提案をするのも、そこから出てきたのかなというふうに思うんです。

安全保障の理論というのは、どこの国でも敵が攻めてきたら、どうやって国を守るかが本旨なんだということを、誰もが認めているわけですよ。だからこそ軍事力を持って、軍事力を拡張して、他国が攻めてきても防衛しようっていうことをやるわけでしょう。しかし、考えてみると、「敵が攻めてきたら」と考えるのは、却って敵を想定し、相手を敵に回してしまう側面がありますよね。

そこで、私が考えたのは、攻めて来ないようにすりゃいいわけです。つまり、対立が簡単に解決しないなら、一つ高い次元に立つ。それにより、物事は解決できなくても、それが戦争に至らないようにすることができるというふうに考えています。それを私は「超克の理論」と言っています。今でも毎日、どうすればそれをもっと多くの人に届けて発信できるかを考えています。だから、元気なのだと私は思います。

――人間が生きることの究極の意義についてどうお考えですか。

人間というのは威張っているけれども、まったく偶然にこの世に存在したわけですよね。だから、「どう過ごそうと勝手だ」と言えば、勝手なんですが、ただ人生っていうのは、たった一回しか与えられないわけですよ。数十年、長くても百何年です。

そこで、私はこういうふうに考えています。せっかく与えられた人生の意味を満足できるようにするために、人間はこの世に存在する。自分がこの世に存在することの意義をできるだけ大きくするというのが、人間のあり方として一番望ましいんじゃないかと思います。これを人生の目標にすべきではないでしょうか。

何を大きいと考えるか、どうやって大きくするか、これは人によってまったく違う。自分で学ばざるを得ないものです。これはある程度、今の若い方にも理解していただける生き方じゃないでしょうか。私はそうやって生きてきたつもりでいます。

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