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漢字に魅せられて~篆刻家&書家・師村妙石さんに聞く(上)

CRIPublished: 2019-01-15 19:19:00
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聞き手:王小燕

今週と来週は書家で篆刻家の師村妙石さんにお話を伺います。

新中国が誕生した1949年に、宮崎県で生まれた師村さんは、書にまつわる子ども時代の思い出は、小学校一年生の冬休みの書初めに遡ります。大学を卒業したのは1972年。その年の秋、中日国交正常化の直後に、師村さんは、初めて中国の地を踏み入れました。書の道を志していた師村さんは、当時、中国で一番見学したかったものは、大学で専攻していた書でした。が、扉を閉じたままの当時の中国では、その願いをかなえることができずに帰国となりました。

しかし、3週間の滞在を通して、「竹のカーテンの奥にある中国のすばらしい魅力」を感じ取ることができたと師村さんが言います。その旅では、北京にある人民大会堂で周恩来総理の握手を受けたことが、「青春時代の一番の思い出」があり、その後の人生に大きな影響を与えた体験だったと振り返ります。

2018年12月までに、師村さんの訪中回数が212回に上り、中国で開かれた個展の数も29回を数え、中国の書道界、篆刻界の関係者と深い絆で結ばれています。

今週の番組では、妙石さんの目に映った漢字の魅力、1972年の中国訪問の見聞、文字でつながっている中国と日本の強い絆などをめぐり、お話を伺います。

【プロフィール】

師村妙石(しむらみょうせき)さん

書家、篆刻家

1949年、宮崎県生まれ。1972年に福岡教育大学特設書道科を卒業。現在は北九州在住。

公益社団法人日展の会員と審査員

中国杭州にある「西泠印社」の名誉社員

上海中国画院名誉画師

中日国交正常化直後の1972年10月、友好訪問団として訪中し、人民大会堂で当時の周恩来首相から接遇を受けた。以来、書の交流を広める訪中歴は2018年12月現在、212回を数える。2018年3月に浙江省嘉興市に師村妙石芸術センターをオープン。

第一回福岡県文化賞

「篆刻字典」「古典文字字典」「篆刻字典精萃」などを編纂。この内、『篆刻字典新装版』は、清代より輓近に至る30名の篆刻家の特長をよく表わした刻印文字を厳選、実用的な造本にした総合的字典。見出し字10752字、総字数64102字を収録。

主な受賞暦

1993年第1回福岡県文化賞受賞

2008年上海市から地元の発展や文化交流に突出した貢献をした外国人に与える「白玉蘭賞」受賞

2017年長年にわたり日中間の文化交流及び人的交流において大きな功績を有するとして、外務大臣表彰を受賞

主な著書

『作品に学ぶ墨場必携〈篆刻1〉』1992.12師村妙石編同朋舎出版

『篆刻字典精萃』東方書店発行年月:1992.2

『篆刻字典新装版』東方書店発行年月:1993.1

『図解篆刻講座呉昌碩に学ぶ』師村妙石監修2013.8

『古典文字字典普及版』師村妙石編

この番組をお聞きになってのご意見やご感想をぜひお聞かせください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn お手紙は【100040中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】もしくは【〒152-8691東京都目黒郵便局私書箱78号中国国際放送局東京支局】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

◆お便り抜粋:

<香川県綾歌郡・北本輝子さん>

今日のCRIインタビューでは書家・篆刻家の師村さんの話があり、興味深く聞きました。時代を感じる話題がたくさんあり、師村さんの深い経験と歴史を感じることができました。来週も楽しみにしています。

<愛知県・ゲンさん>

書家で篆刻家の師村妙石さんの、3400年前に遡るお話は、さすがに中国ですね。

日本のお札やパスポートの字体にも、中国古代文字が息づいているとは、なんて素晴らしいことでしょう。

日中の国交回復の最中に北京に行かれ、周恩来さんに会われたお話、そんな時代の瑠璃廠の様子のお話にはびっくりしました。

中国での日中戦争の傷痕を現場で生々しくご覧になった時のお気持も、痛々しく伝わってきました。師村さんの訪中212回のお話は、まだまだこれからですね。後半を楽しみにしています。

<春日井市・小笠原広行さん>

師村先生へのインタビューでは、私も木版画作品に「落款印」を押しますので、一度「篆刻」にも挑戦したいと思っていたので、大変興味深く拝聴させ頂きまし、次週の放送も楽しみにしております。その木版画作品「イノシシの年賀状」が、本日の中日交流カフェ内でご紹介して頂いた上に、番組紹介ページにアップして頂き、恐縮しておりますと共に、大変励みとなります。今後共宜しくお願い致します。

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