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デジタル技術で文化財に不滅の魅力を~凸版印刷株式会社・本田和秀さんに聞く

CRIPublished: 2018-12-11 19:23:00
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2018年7月まで、凸版印刷株式会社北京事務所の首席代表だった本田さんのインタビュー・後半です。今回のキーワードは「デジタル故宮」と「異文化を楽しむ」です。

故宮の「西華門」から徒歩約5分。内務府跡地(非公開エリア)に建てた清代の宮殿風の中庭があり、入り口には「故宮文化遺産デジタル化応用研究所」という看板が掲げられています。故宮博物院は、1998年に文化財のデジタルアーカイブの構築を目指す「デジタル故宮」プロジェクトを打ち出しました。その一環として、2000年から紫禁城の宮廷建築群と文物をデジタル技術で保存・公開する、日本の凸版印刷株式会社との共同研究プロジェクトを始めています。これは、中国の博物館としては初となる国家認定の国際共同プロジェクトでもあります。

中日双方の専門家や技術者が手を携えて、紫禁城の空間や文物のデジタル化を進める拠点がここにあるのです。これまで、3期にわたる共同プロジェクトでは、VR技術によるデジタル映像「紫禁城・天子の宮殿」シリーズ6作品が完成しています。現在取り組んでいる第4期プロジェクト(2015~20)では、故宮の建築群や文物のデジタル化による研究保護手法の開発や、それらのデータを元にしたVR作品など、デジタルコンテンツの一般公開を国内外で推進することを目指すとしています。

「文化財は一般公開されることで、(観覧者の身体が発する水蒸気などにより)年間にコップ4杯分の水をかぶるほどのダメージを受けるという分析の結果があるのです。ですから、彫刻や絵画、絵巻、そしてそれらを収める空間まで、実際にその場にいるかのような映像を生成し、臨場感と没入感のある仮想体験を可能にするデジタル技術は、文化財の保護に大事な役割が果たせると思っています」と本田さん。

「私見ですが、凸版印刷と故宮の提携はこの先、少なくとも300年は続けるべきだと思います」と付け加えました。

仕事柄、これまでに150回以上も故宮を訪れた本田さん。そんな本田さんならではの故宮の楽しみ方も伺ってみました。

ところで、「28歳で初めてパスポートを取得し、初めて飛行機に乗った」という本田さんですが、そのサラリーマン人生のうち、海外で過ごした時間は通算19年にも上ります。1990年からの3度に渡るアメリカ駐在では、暴動、地震、テロも身近に経験するとともに、IT技術が米国社会にもたらした変化を実感しました。また、北京にいる5年間では、中国日本商会副会長、北京千葉県人会会長、北京紫紺会(明治大学同窓会)会長、北京老美国会幹事など、多くの団体やサークルでも活躍していました。海外生活を充実して過ごし、異文化を楽しむためのコツについても、ベテラン海外駐在員の実体験からお伺いします。

ちなみに、無類のジャズ好きでもある本田さん。その、お薦めの北京の楽しみ方も、お聞き逃しのないように。

【プロフィール】

本田和秀(ほんだ・かずひで)さん

凸版印刷株式会社グローバル広報部長

明治大学卒。1983年凸版印刷入社。1990年から3度に渡り米国駐在を経験し、2013~2018年、北京事務所首席代表へ。中国における様々なプロジェクトの支援を行い、特に「故宮プロジェクト」においては故宮デジタル研究所副所長代理として従事。また中国日本商会副会長、北京千葉県人会会長、北京紫紺会(明治大学同窓会)会長、北京老美国会幹事など、忙しい日々を送る。海外生活は通算19年。2018年7月に東京へ帰任し、グローバル広報部長に。

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この番組をお聞きになってのご意見やご感想をぜひお聞かせください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn、お手紙は【郵便番号100040中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】もしくは【〒152-8691東京都目黒郵便局私書箱78号中国国際放送局東京支局】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

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