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【観察眼】新型コロナ対策、消極姿勢でウイルス消滅は不可能

CRIPublished: 2022-09-05 18:19:55
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世界保健機関(WHO)が今月1日に発表した統計データによると、世界の新型コロナウイルス感染者数は累計で6億人以上、死者数は647万人以上に上り、今年に入って世界の死者数は100万人を超えている。専門家は、「米国をはじめとする一部の西側国家がコロナ対策を緩め、さらには撤廃し、『新型コロナと共生する』という消極的な姿勢を取っていることが世界的な感染拡大が続いている要因だ」と指摘している。

消極姿勢の代表格である米国では、各州が今年2月から新型コロナ対応のための制限措置を次々と解除している。また、ホワイトハウスの新型コロナ対策チームのメンバーは最近、政府が今秋から新型コロナウイルスの検査、治療、ワクチン費用の支払いを停止する考えであることを明らかにした。

米国をはじめとする西側諸国が消極姿勢を選んだ理由は「効果的な対策が見つからない」「経済の下押し圧力が深刻」「コロナ対応の長期化がもたらす疲弊」「変異株の病原性が弱いと考える射幸心」など、概ね似通っている。しかし、マスク令が解除され、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)が求められなくなり、新型コロナの検査スポットが閉鎖されたことで、本当に安心できるのだろうか。

また、米国を例に挙げると、米国はこれまでに累計で感染確認・死亡例が最も多い国で、累計感染者数は9321万人以上、死亡者数は103万人以上で、いずれも世界の15%以上を占めている。新型コロナ感染が長期にわたって抑制されないことで、コロナ患者が急増し、病院が満員になり、他の病気の患者が即時に治療を受けられず、米国全体の医療システムは弱体化の一途をたどっている。また、別の調査によると、感染拡大が続く中、米国の家庭の20%近くが貯蓄を使い果たしており、多くの人が失業し、社会の不安定要素が増していることから、米国民の不安と無力感が一段と浮き彫りになっている。

新型コロナに対する消極姿勢は世界にも深刻な影響を与えている。専門家からは「西側諸国の消極姿勢が、新たな変異株が出るリスクを高めている」との指摘もある。「ウイルスの伝播率が高い限り、ワクチン接種などで保護されていない人々が存在する限り、ウイルスが変異する環境を作り出すことは可能だ」ともいう。ウイルスは絶えず進化している。新しい変異株が出現するたびに、往々にしてより強い伝染性を持ち、免疫逃避能力がより強くなる。これにより、多くの人がウイルス感染を繰り返し、人類は新しい変異株が次々と出現する恐ろしい悪循環の中に置かれることになる。

一部の研究では、オミクロン変異株の毒性が弱まっており、一般的にはウイルスに感染しても大した害がないとの見方もあるが、英紙『フィナンシャル・タイムズ』はこのほど、新型コロナに感染した人は心血管疾患、脳卒中、脳萎縮などの慢性疾患にかかりやすいとの研究結果を伝え、医療システムの負担が大きくなると指摘している。

消極姿勢では、新型コロナを消滅することはできない。逆に感染症を制御不可能な方向へ、社会を混乱へ、民衆を命の喪失へと導くだけだ。信念を固め、科学的に予防・抑制し、協力を強化することこそが、新型コロナ対策の正解である。

WHOの新型コロナ対策技術責任者のマリア・ファン・コホフ氏が8月26日のライブ配信イベントで述べたように、「今年すでに100万人が新型コロナで死亡している。これはウイルスとの“共生”とはいえない。週に1万5000人が死亡している。これは責任を持ってウイルスと共生するとも言えない。多くの人が『新型コロナウイルスとの共存』を口にしているが、それより、私たちは責任感との共存が必要なのである」

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