黒柳徹子さんが北京外大で講演会「輝くところがある人間になれ」と激励
俳優、エッセイストの黒柳徹子さん(90歳)が、31日に北京外国語大学で「青春と読書」をテーマに特別講演会を開きました。
講演会は日本語で開かれ、同大学日本学研究センターの周異夫主任教授が司会進行を務め、黒柳さんによるトークに続いて、壇上にいる学生さんたちとの対話が行われました。学内のみならず、同センター公式Wechatで案内を見て一般応募から参加した学外者も大勢いて、収容人数750人の講堂はほぼ満員でした。中国で1700万部のロングベストセラーを記録した『窓ぎわのトットちゃん』の人気ぶりを裏付けた盛り上がりでした。
黒柳さんは講演会では言葉や方言の独特の魅力について語り、自身の青春時代を振り返りました。パンダの愛好家として知られる黒柳さんは、実は、京劇も「日本に来ると必ず見に行く」ほどの京劇ファンでもあります。講演会では、黒柳さんはモノマネとして、京劇の唄いを演じて、会場を笑いの渦にしました。また、「中国の食べ物も大好き」だという黒柳さんは前の晩に食べたものの、「名前は覚えていない」という「おいしい」スイーツの話で会場が謎めいたムードに包まれ、「では、来年もまたぜひ訪中して、そのお菓子を皆で食べにいきましょう」と周教授からの誘いがあったほどでした。
黒柳さんのトークショーに続き、学生たちとの交流の部では、一人ずつ発表された読書の感想とともに、「無色透明な人だと言われた時の気持ちは」「どうすれば好かれキャラになるか」などの質問もあがりました。黒柳さんは「自分は好かれキャラになりたいと思ったことはないが、素敵な人になるにはどうしたら良いかを考えてほしい。また、皆と仕事する時には仲良くしないと、良い仕事ができない」「人間は自分のなりたい者になれないかもしれないが、ちゃんとそれを見つけて、失敗をおそれずに、それになれるように頑張ってほしいと思う」などと回答しました。
イベントは約2時間続き、フィナーレには花束とともに、愛犬・ロッキーと一緒のトットちゃんのオリジナルな絵が学生からプレゼントされました。描いた房彦君さんは、「トットちゃんは愛犬・ロッキーとの写真がなくて残念がっていたので、私が写真の代わりにツーショットの絵を描いたのです」と絵に込めた気持ちを伝えました。黒柳さんは絵を手に取ってしげしげと眺め、「実に良く描かれている」とすっかり感心した様子でした。
別れ際に、「皆さんからいろんな悩みが聞けて、そして、みなさんの若々しさも感じられ、来て良かったと思う。元気そうな皆さんから力をいただいた。人と自分を比べたりせずに、顔のきれいさや成績よりも、どうしたら自分が個性的な人間になれるかをしっかり研究してほしい。輝くところがある人間にぜひなってほしい」と黒柳さんは学生たちを激励しました。
北京外国語大学に先立って、黒柳さんは30日、北京前門にある本屋で、新刊『続 窓ぎわのトットちゃん』中国語版の出版記念イベントに出席し、中国の各地からの愛読者や教育関係者、インフルエンサーたちと交流を行いました。