日本語

中国の「日本学」研究 学科設置改正を背景にさらに機運が高まるとの期待感

CRI2023-11-27 15:00:17

「区域・国別研究」が2022年9月に中国の高等教育の学問体系の中で正式に「一級学科」として確立されたことを背景に、中国における「日本学」研究の機運がいっそう盛り上がるとの期待感が高まっています。北京で25〜26日に開かれた「区域国別学を視野に置いた日本学研究」をテーマとする国際学術シンポジウムで、複数の学者がそうした姿勢を示しました。

同シンポジウムは、中日両国の人文、経済、文化など多くの分野での交流・往来の緊密化に伴い、日本学研究が区域国別研究の重要不可欠な部分として新たなチャンスを迎えたという認識の下、内外の学者が交流する場の構築を目指すというもので、北京外国語大学が主催し、中日韓から200人余りの学者、専門家、学生らが参加しました。

北京日本学研究センター(以下「センター」)元主任教授の厳安生氏(86歳)らが基調講演を行いました。

厳氏は「中国の『日本学』の初心に立ち戻って」を演題に、単なる道具に過ぎなかった日本語学科の位置付けを、改革開放後に歴代の学者が、「日本学」が高等教育の学問体系に含まれるまでに高めてきた努力を振り返りました。その上で、「中国人の日本に関する記述は3世紀の文献『魏志倭人伝』まで遡るものの、日本を認識・研究する歴史はまだ百年ほどに過ぎない。中国では、同じく漢字を使っている日本語は簡単に覚えられると勘違いされがちだが、日本語は学べば学ぶほど難しくなるというのが私の実感である」と実体験を述べました。そして、後進たちに、時代の追い風に乗り、日本文化の個性を掘り下げ、研究を深め続けてほしいと激励しました。

関係筋の話では、現在、中国全土で日本語学科が設けられている大学は500余りに上っています。シンポジウムではこれを背景に、日本語学科の向かうべき方向性をめぐり、北京、天津、上海の5つの研究機関・大学の学者によるラウンドテーブルも開かれました。席上、それぞれの大学の強みを活かして、語学にもう一つの専攻を組み合わせて育成するという「日本語+」が盛んに強調されました。また、天津外国語大学の修剛元学長は「日本語学習を通して、国際的な視野を持ち、異文化とコミュニケーションが図れ、世界に通用する人材を育成する」と話し、北京外国語大学日語学院の院長で、北京日本学研究センター主任教授の周異夫氏は「日本研究は“地域の中の日本”、“世界の中の日本”、“国際社会の中の日本”へと視野を広げて行うべきだ」と強く訴えました。

シンポジウムではパラレルセッションとして、「歴史の中の中日の相互認識」、「逆転/ウィンウィン 新エネルギー分野の中日企業の競争」をテーマとしたサブフォーラムや、中日韓4大学の院生フォーラムおよび12の分科会も開かれました。

なお、北京日本学研究センターは1979年12月、中日間で調印された文化交流協定に基づいて開設された「全国日本語教師育成クラス

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