平和友好条約45周年シンポ 「地域と世界の平和・繁栄への寄与」を強調
中国社会科学院は北京市内で25日、「中日平和友好条約」締結45周年記念シンポジウムを開催しました。テーマは「中日関係と国際秩序」で、中日の識者100人余りが意見を述べ合いました。同シンポジウムでは、友好協力の信念を固め、手を携えて地域や世界の平和や繁栄に寄与していくことが強調されました。
開幕式の様子
同シンポジウムの開幕式には中国社会科学院の高翔院長、日本の福田康夫元首相、中国の呉江浩駐日大使(ビデオメッセージ)、日本の垂秀夫駐中国大使が参加し、あいさつを行いました。
開幕式であいさつする中国社会科学院の高翔院長
高翔院長は、「世界は百年間未曾有の大変局の中にあり、中日関係は重要な節目にさしかかっている」と指摘し、「条約を念頭に置き、友好の初心を忘れず、使命を果たし続けていくことが大切だ。友好協力の信念を固め、両国の国民により良い幸せをもたらし、地域および世界の平和と繁栄に貢献していくことが最も重要だ」と述べました。
高院長はさらに、「中国は日本との関係発展を非常に重視している。中国は世界の平和と繁栄、両国国民に共通する利益を出発点にして、中日関係の健全な発展に新たな展望を切り開くことに徹している」と強調しました。
開幕式であいさつする福田康夫元首相
福田元首相は、「日中両国は永遠の隣人であり、友好協力は必然の流れだ。双方は『日中平和友好条約』の精神を銘記し、健全で安定した関係の発展を推進していくべきだ」と述べました。福田元首相はその上で、「現在の複雑な国際情勢の下で、長期的な視野に立って日中協力を推進し、両国の互恵・ウィンウィンの実現に向けためたゆまぬ努力を続け、世界の平和と繁栄により大きな貢献せねばならない」と論じました。
開幕式であいさつする呉江浩駐日大使
呉大使は、「45周年記念を契機に、双方は条約締結時の初心を温めなおし、義務を履行し、中日関係の歩みから知恵を汲み取り、平和・友好・協力の新たな一章をつづりつづけ、世界の平和と安定を守り、国際社会での公平と正義を守り、新時代を背景に条約の精神に新たな中身を注ぎ込んでいく必要がある」と指摘しました。
開幕式であいさつする垂秀夫在中国大使
垂大使は、「日中両国はいずれもアジアの大国であり、両国関係の安定は両国民だけでなく地域、ひいては世界の平和と繁栄にも有益だ」と指摘し、さらに「国際情勢の変化と両国関係に出現したさまざまなリスクや試練を前にして、両国は戦略的な見地から意思疎通と協力を強める必要がある。45年前に締結された『日中平和友好条約』は両国関係の進むべき大きな方向を示してくれている」と指摘しました。
会場の様子
このシンポジウムを運営したのは中国社会科学院日本研究所と中華日本学会で、「中日平和友好条約」の歴史的意義と今日の価値を掘り下げ、両国関係は国際秩序の変遷を背景に、正しい道に沿って、安定して健全な発展を実現ことに向けて、中日双方の識者の知見を結集することを趣旨に開かれたとのことです。