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中日平和友好条約から45年 北京の民間団体「ともに向う未来」を呼びかけ

CRI2023-10-24 19:34:01

「中日平和友好条約」の発効から45年を迎える23日、北京の有識者の呼びかけで発足した「中日交流論壇」が両国の学者を招いて記念シンポジウムを開催し、「中日がともに向かう未来を創り出すために、現在直面する問題の解決で手を携えよう」と力強いメッセージが出されました。

シンポジウムで挨拶する中日交流論壇・張建軍代表

同論壇の張建軍代表は席上、「先人たちが困難を乗り越えて締結した『中日平和友好条約』から受けた恩恵に感謝するとともに、それぞれの時代にはその時代の課題がある。目先の障害に目をとらわれ過ぎず、ともに向かう未来のために力を合わせよう」と呼びかけました。

シンポジウムでは、条約の今日的意義、中日関係の現状・未来と今後の採るべき行動などをめぐって、踏み込んだ議論が行われました。

東アジア共同体研究所・孫崎享所長

中でも、条約の発効が両国関係、ひいては地域の発展に及ぼした影響について、東アジア共同体研究所の孫崎享所長は、「両国の発展と東アジア地域の安定をもたらす貴重な礎」とし、青山学院大学の羽場久美子名誉教授は、「すべての紛争を平和的手段により解決する。覇権を求めない」という条文が「極めて重要」と指摘し、「今こそ、この条約の内容を実現していくべき」と強く訴えました。

北京大学・賈蕙萱教授

北京大学の賈蕙萱教授は、両国の政治家たちが一つ一つの難関を政治的英知で乗り越えた取り組みを具体的に紹介し、「1978年秋、条約批准書の交換で訪日した鄧小平氏は、帰国後、改革開放に踏み切る決意を固めた」と振り返り、両国は条約の締結で「平和的発展の時期を迎えた」とその意義を高く評価しました。一方、両国関係を取りまく現状について、両国の学者たちはいずれも懸念を示しました。

清華大学・劉江永教授

清華大学の劉江永教授は、日本が中国を「最大の戦略的課題」に位置付けていることを取り上げ、「欧米よりもはるかに厳しいまなざし」と指摘し、外交学院の周永生教授は、中日関係が悪化した背景について、「日米軍事同盟の構造では、中国が長きにわたって仮想敵と見なされていた」ことを挙げていました。

青山学院大学・羽場久美子名誉教授

今後向かうべき方向性について、さまざまな提案が出されました。孫崎氏は「いかに挑発を避け、長期的繁栄と安定への道に横たわる障害を避けるかがわれわれに求められる英知」だと話し、双方の識者が共同で平和を守るために積極的に発信していくよう呼びかけました。

羽場氏は「日本と中国にとっては、これからも平和・友好・発展を堅持し、共に未来に向かって発展していくことが最重要課題だ」として、若者の交流、文化·音楽やアニメ、観光やスポーツ、経済交流、地域間の市民交流の重要性を訴えました。

周氏は、トップ同士の交流、信頼醸成の重要性を指摘し、気候変動分野での協力などを例に、「関係改善につながるあらゆる可能性をしっかりとつかみ、有識者から一般市民まで、小さなことから行動し、それらを積み重ねていくことで大きな関係改善へとつなげていくよう努力すべき」と提案しました。

出席者の記念写真

「中日民間交流論壇」は北京に拠点を置く欧米同学会留日同学会商会、中関村科技企業家協会、北京大学日語系友会、中国墨子学会青年研究会などにより、2年前に発足した中日交流の場です。

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