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【観察眼】「生産能力過剰」 中国を圧迫するもう一つの「格好」の口実

CRI2024-04-29 18:04:07

ヤフージャパンではこのほど、海外から中国への旅行客数が伸び悩んでいると紹介する記事が国際ニュースのランキングの第1位になった。日本人には直接の関係がない記事がこれほど注目されたのは、中国に関心を持ち、中国を見てみたいと思う人が多いからではないだろうか。中国に行き自分の目で見て、中国人と実際に接触して、さらに中国でしばらく生活しなければ、日本に暮らしているだけで本当の中国を理解することが実際にはかなり難しい。日本のウェブサイトやメディアから知らされる中国はしばしば、歪曲され醜悪化されている。

中国を圧迫する日本のメディアは、単に米国に追随しているだけだ。米国こそが中国に対する圧迫を発動し、けん引する者だ。日本にとって米国による圧迫は珍しいことではない。日本はむしろ、この方面の中国の先輩だ。日本はかつて世界第2位の経済体に成長したが、米国の圧力によりバブル経済崩壊後の長い時期を経験した。今の中国はまさに1980年代末から90年代初めにかけての日本に相当する。このように例えれば、中国の現在の状況をご理解いただけるだろうか。

米国の中国への圧迫は、最も直感的には世論への圧力に表れている。米国など西側の国々が支配するメディア、シンクタンク、研究機関、世論調査機関、あるいは独立した第三者を装った「オピニオンリーダー」などは、さまざまなバージョンの「中国脅威論」や「中国崩壊論」をまき散らしている。日本の読者もおそらく、それらをよくご存じだろう。これらの言論は、米国が覇権を守るために引き起こした大国間の競争を、「道義」を振りかざすことでいわゆる「民主と独裁の対立」という虚構にくるんで示すことで、西側諸国の人々の、ひいては全世界の人々の中国に対する判断を左右しようとしている。メディアが伝える中国の負の面一辺倒のニュースに接したら、このような背景を考えて、もっと多くの角度から中国を見て、さらに真実の中国を知る方がよい。

米国の対中圧力の真骨頂は経済関連にある。中国の対米輸出製品に一方的に高い関税を課し、中国の輸出業界を圧迫し、産業チェーンとサプライチェーンの一部を中国から撤退させ、中国経済に打撃を与えるなどだ。さらに、華為技術(ファーウェイ)などの中国のハイテク企業に制裁を科し、中国の科学技術の進歩と産業のグレードアップを阻止し、中国には米国のハイテク製品の販売市場でありつづけることだけを許し、中国をローエンド産業のチェーンに位置づけている。これらの手段はいずれも、かつての日本にも用いられたことがある。米国の利己的な特徴は、一朝一夕のものではない。

今になり、中国を圧迫する新たな口実が加わった。「生産能力過剰」だ。4月上旬に訪中したイエレン米財務長官は、中国の生産能力過剰問題に関心を示し、電気自動車、リチウムイオン電池、太陽電池の3業界を「名指し」して言及した。

折しも北京モーターショーが最近になり開幕した。会場では電気自動車の生産能力が過剰であるかどうかを直接に確認することができる。仮に生産能力が過剰で、供給が過剰であれば、電気自動車の展示を見ようとする人はわずかで、展示スペースでは閑古鳥が鳴くはずだ。しかし実際には、電気自動車など新エネルギー車がステージの中央に置かれ、比亜迪(BYD)などの中国ブランド車の出展場所は人だかりがしている。来場者は中国の自動車メーカーがどのような新車種、新技術を公開するかに期待を寄せている。会場では外国人が明らかに多くなり、相当数の海外からのディーラー、サプライヤー、メディア、さらには自動車を所有する個人まで来場した。

世界を舞台にした自動車設計と管理で30年以上の経験を持つフォルクスワーゲン・グループの元グローバルデザイン責任者であるクラウス・ツィシオラ氏は、「私は生産能力の過剰を目撃していない。私に見えるのは、世界市場の新エネルギー車に対する巨大な需要だ。中国はわれわれが現在目にしている以上に、世界市場により強い影響を与えていくだろう」との認識を示した。フランスの業界団体である自動車産業プラットフォーム(PFA)のリュック・シャテル会長は「今日の世界の市場は全地球化した市場だ。最終目的は消費者に利益をもたらすことだ。中国のこの分野での貢献は実際のところ、世界のだれの目にも明らかだ」と高く評価した。これらの業界関係者の話は、おそらくもっとも説得力があるものだ。

米国の中国への圧迫は、極めて多くの手段がある。外交的に中国を孤立させ、金融手段を通じて中国を抑制し、中国への軍事圧力を強めるなど、汲めども尽きない状態だ。しかし、メディアの中国に関する報道がどうであれ、「群盲象を評す」ということわざが示すように、特定の立場から得られた結論には限界がある。より多くの角度から中国を見てこそ、真実の中国を知ることができるはずだ。

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