<北京国際映画祭>「天壇賞」最優秀作品の鑑賞会開催
第13回北京国際映画祭のコンペティション部門「天壇賞」の最優秀作品賞を受賞した『懲罰(英題:The Punishment)』のメディア鑑賞会と審査委員の記者会見が4月30日、北京で行われました。
映画『懲罰』のワンシーン
この作品はチリとアルゼンチンが共同制作し、チリのマティアス・ビセ(Matías Bize)監督がメガホンを取りました。「家庭」「愛」「女性」に着目し、7歳の息子を罰するために、息子を森に残して車で出て行った夫婦が、わずか2分後に探しに戻ったところ、息子の行方が分からなくなったというところからストーリーが展開されていきます。同作は最優秀作品賞のほか、母親役を演じたチリのアントニア・セヘルス(Antonia Zegers)氏が主演女優賞を受賞しました。
鑑賞会の上映後に、アルゼンチンの映画評論家であるフェルナンド・フアン・リマ氏、中国香港の関錦鵬(スタンリー・クワン)監督、イスラエルのナダブ・ラピド監督、タイのピムパカー・トーウィラ監督、女優の周冬雨(チョウ・ドンユィ)氏の5人の審査委員が同作や今回の映画祭について感想を述べました。
フェルナンド・フアン・リマ氏
『懲罰』を最優秀作品賞に選出した理由について、フェルナンド・フアン・リマ氏は、「この作品は観客と映画との距離を非常に近くし、映画の中で伝わりにくい感情を効果的に伝えた。また、俳優の演技や技術も素晴らしい」と評価しました。
関錦鵬監督
関錦鵬監督は、「この映画のすごいところはワンカット(長回し)の活用だ。カメラ自体が、俳優が演じる人物を好きになった。カメラの独特な目は観客の目を代表している」と話しました。
ナダブ・ラピド監督
ナダブ・ラピド監督は、「この作品は生活の中の多くの敏感な話題に触れ、映画の内容に最適な表現方法を見つけた」と、最優秀作品賞選出の理由を挙げました。
ピムパカー・トーウィラ監督
また、ピムパカー・トーウィラ監督は、「この映画で触れた問題は世界中の女性が直面している共通の問題だ。私たちは観察者として映画を見るだけでなく、ヒロインの歩みをたどり、彼女の力を感じることができる」と語りました。
女優の周冬雨氏
優れた演技の審査標準について、周冬雨氏は、「優れた演技は必ず観客を感動させることができ、役者の心からの表現を見せることができる」と述べました。