北京国際映画祭映画関係者が過去10年の成果を語り合う
第12回北京国際映画祭の開幕フォーラムが14日、北京市懐柔区の雁栖湖国際会議センターで行われました。「新たな道へ:光と影は止まらず未来に向かう」をテーマにしたこのフォーラムには、中国の映画制作・配給大手の中国電影集団(China Film)や博納影業集団(Bona Film)、動画配信大手「愛奇芸(iQIYI)」など中国映画業界のトップ企業9社の責任者と、中国の著名な監督、俳優など映画関係者が一堂に集まり、中国映画の発展の成果と経験を振り返り、目下に直面するチャンスと挑戦について議論しました。
余俊生副会長
冒頭のあいさつで、今回の映画祭の組織委員会副会長を務める余俊生北京ラジオ・テレビ局長は、「2012年に中国共産党第18回全国代表大会が開催されて以来、中国の映画事業は盛んに発展してきた。過去10年間、中国文化のソフトパワーは日増しに高まり、新型コロナウイルス感染症が続く中でも、中国映画は強い強靭性を示し、世界の映画市場の回復をけん引している」と述べました。
傅若清代表取締役
中国電影集団の傅若清代表取締役は、同社の映画業界における発展の成果を紹介し、「過去10年間で、200本の映画を制作し、累計興行収入は837億1600万元(約1兆6574億円)に達した。また、国内上映数の76%にあたる4401本を配給し、3173本の映画作品の制作を手掛けてきた」と紹介しました。
王長田代表取締役
映画制作・配給大手の光線伝媒(ENLIGHT MEDIA)の王長田代表取締役は、同社が配給・制作した複数の映画を紹介し、「10年前に『人再囧途之泰囧(ロスト・イン・タイ)』が中国映画興行収入の10億元(約198億円)時代を切り開いた。その後の『美人魚(人魚姫)』は30億元(約594億円)を突破し、さらに『哪吒之魔童降世(ナタ~魔童降臨~)』はアニメ映画として50億元(約990億円)の大台を超えた」と説明しました。また、「光線伝媒は将来、中国独自の『マーベル・ユニバース』である『中国神話のユニバース』を作りたい。第1弾は30~50本の映画で構成され、それに向けた映画制作はすでに始まっている」と明らかにしました。
王中磊最高経営責任者
映画制作・配給大手の華誼兄弟(Huayi Brothers)の王中磊最高経営責任者(CEO)はメタバースと映画との融合に触れ、「今後2年以内に、全体の80%以上をVR撮影で行った質の高い映画作品を2本制作することを目指している」と述べました。
フォーラムでは、映画監督の尹力氏、女優の白百何氏など映画関係者によるパネルディスカッションも行われ、パネリストらは、ここ10年の中国映画を振り返りながら、自身の経験と結びつけて、映画産業が直面する課題の解決について意見を交わしました。