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「馬頭琴の神様」チ・ボラグさん、民族音楽の祭典で演奏

CRI2019-10-18 19:48:00

10月下旬、北京は秋晴れの心地よい季節を迎えます。このほど、2回目となる中国オリジナル民族音楽コンクール「中国民族音楽大会」が開かれ、全国各地の有名な民族音楽の演奏家や音楽愛好家が競演し、素晴らしい民族音楽の祭典を演じました。特に、馬頭琴の演奏家である人間国宝のチ・ボラグさんは、素晴らしい演奏で多くの観客を魅了しました。今回の中国メロディーは、そんなチ・ボラグさんと、「中国民族音楽大会」での演奏作品をご紹介しましょう。

馬頭琴とともに70年間

蒙古族では、古くから弦が2本の楽器が伝わっており、その独特な低く柔らかい音色は蒙古草原の息吹を感じさせます。昔、ある遊牧民が、死んだ最愛の馬を記念するため、馬の頭や皮、しっぽの毛で楽器を作りました。これが蒙古草原で伝わっている馬頭琴といわれています。

馬頭琴で最も有名なのは、蒙古族の演奏家・作曲家チ・ボラグさんです。75歳のチ・ボラグさんは、馬頭琴の演奏暦が70年にわたり、その音色から広々とした草原、青々とした空、真っ白なヒツジの群れ、軽快な牧歌といった、まさに天国のような風景を楽しむことができます。そんなチ・ボラグさんは、演奏家だけでなく素晴らしい作曲家でもあります。チンギス・ハンの子孫である彼は、代々伝わる蒙古族の音楽を引き継いで、多くの素晴らしい曲を作り、世界の馬頭琴の曲の80%を創作しているということです。

馬頭琴を世界の舞台へ

7月18日、「馬頭琴の神様」とも言うべきチ・ボラグさんは、再び「中国民族音楽大会」のステージに立ち、満場の拍手が沸き起こり、観客はみな起立して歓迎しました。「もう75歳だけど何一つしていない。馬頭琴だけの70年間だった」と冗談混じりに言いました。すべての才能と知恵を馬頭琴に捧げ、またその形を3回にわたって作り替えて、音色を一段と美しくしました。また、世界的にも活躍し、ウィーン・ゴールデンホールや北京オリンピックの開会式で鮮やかな腕を披露しました。

今年の中国民族音楽大会でチ・ボラグさんは、蒙古族の民謡「鴻雁(オオカリ)」を演奏しました。落ち着いて舞台の真ん中に座り、弓で馬頭琴の緒に触ると、瞬く間に観客の心の琴線に届いて、みな耳を澄まして楽しみました。その間に、歌手の薩頂頂が演奏に合わせて歌い、蒙古族の草原への深い愛情を生き生きと表現しました。

若者たちと民族音楽のステージで活躍

9月下旬に北京で開かれた「中国民族音楽大会」で、75歳の馬頭琴の巨匠・チ・ボラグさんは、蒙古族の4人組バンド「徒歩楽団」を応援するためにステージに立ち、民謡「祝酒歌(乾杯の歌)」を競演しました。

チ・ボラグさんの馬頭琴の音色は「徒歩楽団」のアーティストのクーブーズや笛などの伝統楽器の伴奏を受け、蒙古草原の独特のノスタルジアを感じさせました。大ベテランのチ・ボラグさんは、若者たちに負けないぐらいに、民族音楽のステージで一体となって活躍しています。

番組の中でお送りした曲

1曲目万馬奔騰

この曲は、チ・ボラグさんが作詞作曲し演奏したもので、自由奔放なメロディーで多くの馬が走ったりいなないたりする壮大な場面を描きました。

2曲目鴻雁

この曲はチ・ボラグが演奏し、薩頂頂が歌った蒙古族の民謡です。

歌詞:

オオカリよ空を

並んで飛んでゆく

川は長く草は黄色く

草原には悲しげな琴の音

オオカリは南へ飛ぶ

そよぐアシを越え

果てしない空どこへ行こうとも

心には北方の故郷

3曲目祝酒歌

この曲はチ・ボラグさんと、蒙古草原のバンド「徒歩楽団」のコラボ演奏によるものです。

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