日本語

日本ポップスの中国カバー曲特集(中編)

CRI2019-09-27 21:16:00

9月末から10月初め、北京は虫の音で深まる秋を感じる頃となります。今週の中国メロディーも引き続き、人気ある日本の歌の中国カバー曲をご紹介しましょう。

陳慧嫻の「千千闕歌」~「夕焼けの歌」のカバー曲

日本のポップスは、1980年代から90年代、欧米の影響を受けて急速に成長し、多くの素晴らしいミュージシャンやオリジナル曲が生まれて、アジアの先頭を走っていました。当時、多くの香港や台湾の歌手が日本の曲をカバーし、生まれ変わらせたのです。その1人である香港の人気女性シンガー・プリシラ・チャン(陳慧嫻)のデビュー曲「千千闕歌(あまたの歌)」や、「紅茶館(喫茶店)」などは代表的なカバー曲です。

1989年、ミュージシャンとして全盛期を迎えていた24歳のプリシラ(陳慧嫻)は、周囲の反対を押し切って芸能界を引退し、アメリカへ留学することを決意しました。ファイナルコンサートで、彼女は白いレースのスカートを着て、涙ながらに代表曲の「千千闕歌(あまたの歌)」を歌いました。

この曲は、日本の近藤真彦の「夕焼けの歌」のカバー曲で、淡々としたメロディーに別れの哀愁が漂い、感傷的でありながら悲しみのない曲調は、さよならのテーマにもぴったりです。そんな「千千闕歌(あまたの歌)」は今、カラオケの定番曲として広く歌われています。

張学友の「秋意濃」~玉置浩二の「行かないで」のカバー曲

次は、中国人にも馴染みの深い玉置浩二です。1980年代から90年代、香港で大流行し、地元歌手の半数以上が彼の曲をカバーしました。人気男性歌手のイーソン・チャン(陳奕迅)は「音楽の世界では言葉は大事ではない。玉置浩二のソロコンサートを見に行った時、歌は全部日本語で全然わからなかったが、9回も涙を流した」と話しました。

戦時下の中国大陸で、中国人の名で一世を風靡した山口淑子の生涯を描いたテレビドラマ「さよなら李香蘭」が1989年に放映されました。玉置浩二が作ったこのドラマの主題歌「行かないで」を、1993年に香港の「四天王」と呼ばれ、抜群の歌唱力を誇るジャッキー・チュン(張学友)が「秋意濃(秋深く)」というタイトルでカバーします。そして中華圏で大ヒットしました。

周華健の「花心」~喜納昌吉の「花」のカバー曲

日本の作曲家・喜納昌吉の代表曲である「花」。この曲も、1993年に台湾の男性歌手・エミール・チョウ(周華健)が「花心」というタイトルで歌っています。何十週も連続でシングルランキングの3位以内に座り、エミール・チョウの代表曲となりました。

喜納昌吉の「花」は、太平洋戦争中、姫ユリ部隊の少女たちの悲しい青春を嘆いた映画「ひめゆりの塔」の主題歌で、沖縄の民謡を本人がアレンジしたものです。後に台湾の作詞家・厲曼婷が「花心」というタイトルで詞を書き、花を恋しく思い、いつまでも寄り添っていきたい恋の気持ちを表しました。

戦争で犠牲になった少女たちを記念するレクイエムも、ロマンチックな恋を表すラブソングも、いずれもこのフォークソングに新しい命を注ぎ、曲は国境を越えて、異国の大地で美しい花を咲かせています。

番組の中でお送りした曲

1曲目千千闕歌

この歌は近藤真彦の「夕焼けの歌」のカバー曲で、女性シンガー・プリシラ・チャン(陳慧嫻)が歌ったものです。

別れ間際で哀愁の美しさに気づく

あなたのお陰で思い出は長いものに

いつの日か今夜のように

互いの目の中に心の音を読めるか

2曲目秋意濃

この歌は玉置浩二の代表曲「行かないで」のカバー曲で、ジャッキー・チュンが歌ったものです。

一杯の酒に

幾多の思いがよぎる

幾たびの別れ

落葉の季節に重ねて

握った君の手が

心の中に

忘れないでくれ

無言の約束を

3曲目花心

この歌は喜納昌吉の代表曲である「花」のカバー曲で、台湾の男性歌手・エミール・チョウ(周華健)が歌ったものです。

歌詞:

花は蕊に隠れて

その盛りを逃す

君の心は春を忘れて

心の扉を閉ざす

なぜ僕と手を繋いで太陽や月の歌を聞こうとしないの

Close
Messenger Pinterest LinkedIn