【北京冬季五輪注目の選手③】スノーボード・蔡雪桐
第24回オリンピック冬季競技大会は2022年2月4日から20日まで、第13回パラリンピック冬季競技大会は3月4日から13日までの日程で、北京市、延慶区と河北省張家口市の3つのエリアを舞台にそれぞれ開催されます。このコーナーでは、冬季オリンピックとパラリンピックの注目の中国人選手をご紹介します。
4度目の五輪、「純粋に試合を楽しみたい」
蔡雪桐
1993年黒竜江省ハルビン市に生まれる
2004年プロチームで練習を開始
2009年世界ユース選手権で金を獲得中国人初の世界大会優勝
2010年自身初の五輪となるバンクーバー大会で23位
2014年ソチ冬季五輪で6位
2015年世界選手権で中国人初の優勝を果たす
2018年平昌冬季五輪で5位
2019年米国オープンでバックサイドとフロントサイドの両方で900°を初めて成功させる
出場種目:スノーボード・ハーフパイプ
2018-19シーズンの総合首位を獲得した蔡雪桐選手
10歳からプロチームで練習
蔡さんは1993年9月、東北地域の黒竜江省ハルビン市に生まれました。小さいころから運動が好きな少女でした。10歳のある日、公園でローラースケートを楽しんでいたところ、アマチュアスポーツ学校の教師にスカウトされ、スノーボードの練習を始めました。その後、2004年8月から黒竜江省のプロチームに選ばれ、専門的な練習を開始しました。
初の五輪は「頭が真っ白」
2008年、自身にとって初の試合となる全国冬季運動会で銅メダルを獲得しました。
2009年、国際スキー連盟が主催するスノーボードの世界ユース選手権のハーフパイプで優勝し、中国人選手としては世界大会初の金メダルとなりました。
2010年、16歳の蔡さんは自身初のオリンピックを迎えました。バンクーバー大会では、女子スノーボードに出場した各国選手の中で最年少でした。予選では2回の滑りとも失敗し、最終的には30人中23位。「頭の中が真っ白だった。どう滑ってきたのか全然覚えていない」と蔡さんは振り返ります。
2度、3度目の五輪挑戦「悔しさ」の連続
2012年、ニュージーランドで行われたW杯で蔡さんは右肩を負傷しました。それが2014年ソチ冬季オリンピックの準備にも影響し、ソチでは4年前のバンクーバーよりは成績が良かったものの、6位でメダルに届きませんでした。
その後、心と体の整理整頓をして再出発しました。2015年1月、オーストリアで行われたスノーボードの世界選手権で、中国人選手としてハーフパイプの初優勝を果たしました。
2015年から2017年にかけ、冬季ユニバーシアードやW杯、世界選手権でも多くのタイトルを手にしました。
そして自信満々で迎えた2018年平昌冬季オリンピック。試合中にミスで転倒してしまい、5位にとどまりました。この結果について蔡さんは、「とても良いコンディションで平昌大会に出たので、サポーターも私自身も期待が高かった。それで考えすぎてしまい、本番の時にペースが乱れたのかもしれない。本当にくやしい」と振り返ります。
学生生活が呼び起こした「スノーボード愛」
蔡さんは競技に対して、気持ちが落ち込んでしまいました。心のリフレッシュをしようと思い、選手生活から離れて学生になりました。進学した北京体育大学では、フィジカルトレーニングを専攻し、普通の学生と同じように授業を受け、宿題をやり、試験を受けました。また、暇なときにはテレビドラマを観るという生活を送りました。そのような生活を半年間過ごすと、自身の心が落ち着いてきました。実際に選手としての練習や試合から離れてみたからこそ、自分はどれほどスノーボードを愛しているのかということに気づくことができました。
そう考えるようになってから、練習場や試合に戻った蔡さんは大きく変わりました。以前よりもリラックスして試合に臨むようになり、成績も伸びました。2019年に行われたアメリカオープンでは、バックサイドとフロントサイドの両方で900°(2回転半)を初めて成功させました。
その後、スイスやアメリカ、カナダなどで行われたW杯で優勝し続け、2018-19、19-20、20-21の3季連続で、W杯の総合首位に立ちました。総合首位の回数は通算7回、世界最多となりました。
4度目の五輪は「楽しむ気持ちで」
自身4度目のオリンピックとなる北京冬季オリンピックを前にして、蔡さんは「優勝とかメダルとかもう考えない。純粋に試合を楽しみたい」と意気込みを語っています。
資料写真
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