【観察眼】比に忠告「目を開いて広い心で世界の情勢を見極めるべき」
一方で、ドゥテルテ政権に対する中国の支持を見てみると、両国は2016年に150億ドルの投資と90億ドルの融資を含む240億ドルに及ぶ協議に署名したが、これは双方の経済貿易協力が大きな成果を収めるのを促進してきた。中国は6年連続でフィリピンの最大の貿易パートナーとなり、フィリピンにとって第2位の輸出国に躍り出た。中比の2022年の貿易額は前年同期比7.1%増の877億3000万ドルに達した。このうち、中国からフィリピンへの輸出額は前年同期比13.2%増の646億8000万ドルで、フィリピンからの輸入は230億5000万ドルだった。ドゥテルテ元大統領の報道官を務めたハリー・ロク(Harry Roque)氏は、メディアのアルジャジーラに対して、マルコス政府が米国を頼ったことは「重大な誤り」であり、外交政策の転換はフィリピンと中国の関係にマイナスの影響を与え、中国のフィリピンへの投資が減少したと語った。
フィリピンのアジア世紀戦略研究所のアンナ・マリンダ・ウイ副所長は2024年6月インタビューに応じ、「台湾海峡の衝突に巻き込まれないためには、マルコス政府はその外交政策を再調整し、真の中立と独立に向かわなければならない。フィリピンはいかなる外国の影響も、特に元植民地支配者である米国の影響を受けてはならない」と強調した。
1974年、当時16歳のマルコス氏は母親と共に中国を訪れ、中国の指導者・毛沢東主席に会ったと言われており、同氏はその後、政治的な資本としてよくこの話を回りの人に話していたという。だが、マルコス氏は毛沢東主席が詠んだ詩の中の一句を真剣に読んだことはないはずだ。それは「風物長宜放眼量