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【観察眼】今日は「世界難民の日」難民が出ることのない世界の実現を祈ろう

CRIPublished: 2024-06-20 14:59:09
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6月20日は、国連が定めた「世界難民の日」である。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が発表した最新の報告書によると、世界の難民の数は、日本の人口規模に匹敵する1億2000万人に達し、過去最高を記録している。しかもその人数は12年連続で増加している。最も深刻な影響を受けているウクライナ、スーダン、ガザ地区、シリアなどでは、戦争や紛争によって一般の人々の生活が徹底的に破壊され、避難することを余儀なくされている。

ウクライナでは2022年末までに1160万人が避難しており、そのうち590万人が国内を漂泊し、約570万人が他国に逃れて難民となった。また、スーダンでは破壊的な紛争で1080万人がホームレスになり、ガザではイスラエルとパレスチナの紛争で170万人が家を失っている。シリアはさらに長期にわたって戦乱に苦しんでおり、国内外の避難民の数は1380万人に上っている。これは単なる数字の問題ではなく、世界が抱える重大な人道的課題だ。これに対して、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「この驚くべき数字の背景には多くの悲劇がある。避難を余儀なくされている根本的な原因に対処するため、国際社会は緊急に行動をとらなければならない」と述べた。

難民増加の主な原因は、政治的衝突や戦争だ。そして、長期的な戦争と動乱の多くは、米国をはじめとする一部の西側諸国が“輸出”しているものだ。彼らこそが、他国の内政に干渉し、人道的災難を引き起こす、難民問題の元凶である。米国が9・11テロ直後に起こした戦争では、4900万〜6000万人の難民が発生した。アフガニスタンだけでも1100万人が難民になったという統計が出ている。そして米国は、「民主」や「人権」の看板を掲げて戦争を始めては、傷だらけの国を残して去ることを繰り返している。しかし、たとえ戦争が終わろうとも、現地の人々は漂泊を続けたり、再び貧困生活に陥ったりと、先の見えない生活に直面し続けている。米国のやっていることはまさに、人権を踏みにじる行為だ。そればかりか、こうした難民に対して最も大きな責任を負うべきはずの米国が、その後始末を国際社会に押しつけている。国連難民高等弁務官事務所の報告書「グローバル・トレンド」によると、世界の難民受け入れ国の上位は、欧米など西側先進国ではない。西側の高所得国は1000人当たり平均2.7人、中低所得国は1000人当たり平均5.8人の難民を受け入れているが、最貧困国は世界の3分の1の難民を受け入れている。

難民問題は関係国の政治秩序、経済発展、社会の安定に衝撃を与えている上に、地域ひいては国際社会の平和、安全、発展をも脅かしている。1億人以上が避難を余儀なくされている現在の勢いを止める唯一の方法は、平和と安定の実現である。「世界難民の日」の最終目標は、世界から難民をなくすことだ。この日に当たって、戦争がなくなり、難民が出ることのない世界の実現を心から祈りたい。

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