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【観察眼】南京大虐殺から86年 戦争の痛みを胸に、日本は軍備増強の見直しを

CRIPublished: 2023-12-11 15:28:05
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南京大虐殺から今年で86年。

惨劇の犠牲になった同胞を追悼し、歴史的正義を守るため、中国政府は2014年2月27日、毎年12月13日を「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」と定めた。以来、この日には全国各地で追悼行事が行われる。例えば今年は、江蘇省で「国の恥を忘れず、中華民族の夢を叶える」をテーマとする記念行事が多数実施された。また、書籍『時間の証人』『ラーベの日記(青少年版)』『南京大虐殺全実話』なども間もなく出版される。

「南京大虐殺の歴史は忘れられるべきではない。記念なくして和解はなく、和解なくして長い平和はない」。これは、2015年6月25日に「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞記念館」を訪れたミヒャエル・クラウス(Michael Clauss)駐中国ドイツ大使のメッセージである。近年、日本の右翼勢力は南京大虐殺を否定しているが、日本国内では良心的な正義の士たちが歴史上の真実を取り戻すために努力してきた。日本国民に初めて南京大虐殺の歴史を伝えた本多勝一氏は、なぜそうするのかと問われ、「歴史を直視し、平和の道を歩むことこそ、日本にとって本当に良いことだ」と答えた。

「歴史を心に刻む」ということは、憎しみを持ち続けることではない。善良な一人一人の平和を求める心を呼び起こし、それを守っていくことである。歴史が我々に示唆するのは、平和は勝ち取らねば得られず、維持に努めなければ続かないということだ。現在、私たちが置かれている世界は決して平穏とは言えない。地域紛争があちこちで起こり、戦争の暗雲は消えず、ゼロサムゲームによって国際情勢上の不確定要素が増大している。全人類が平和を尊び、守り、戦争の痛ましい教訓を心に刻むことで初めて、真の平和は実現する。

南京大虐殺から86年が過ぎ、日本の右翼勢力は過去の戦争を反省しないばかりか、侵略の歴史さえ徹底的に否定し、美化し、近年は平和憲法の改正を企んでいる。日本の現行憲法の第9条は、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は 武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という文と、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」という文の2項から成る。これは、現行の日本国憲法が「平和憲法」と呼ばれる根拠だ。ところが、日本政府は2022年12月、自衛隊が「敵基地攻撃能力」を持つことを認める改正安保三文書を採択した。また、日本政府は2023~2027年度に、防衛予算の対GDP比を現在の1%から2%に引き上げる計画を立てている。この予算案が実施されれば、日本は世界第3位の軍事費支出国になるかもしれないという分析も出ている。防衛のためだけとは言えない、攻撃的で侵略的な意図を含む軍事費であることは明らかだ。こうした日本の動向は、日本国憲法に定められた「平和主義」や「専守防衛」の原則に反するだけでなく、日本の戦後の軍事的制約に対する国際社会のコンセンサスにも反する。そうなれば、世界に戦争の火種がまた一つ増える恐れがある。

日本は、自らが進めているのが「平和の道を放棄することで、さらなる安全を手にする」という荒唐無稽な計画であることを直視すべきであり、そのような安全の手に入れ方が実現することはないと気づくべきである。南京大虐殺犠牲者国家追悼日に平和の鐘が鳴るたびに、日本政府が歴史の教訓を真摯に汲み取り、平和発展の道を歩み続けることを願っている。

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