日本語

【観察眼】中日の戦略的互恵関係に再び脚光 両国関係の安定と未来のために

CRIPublished: 2023-11-20 13:44:37
Share
Share this with Close
Messenger Pinterest LinkedIn

習近平国家主席はバイデン大統領との会談に続き、現地時間11月16日午後、サンフランシスコで日本の岸田文雄首相と会談した。席上、習主席は「戦略的互恵関係の位置づけを再確認し、新たな内容を充実させ、新時代のニーズにふさわしい中日関係の構築に取り組む必要がある」と指摘した。

首脳会談の場で「中日の戦略的互恵関係」という言葉が取り上げられたのは久々だが、これにはどのような意味があるのか。

これについて、日本の『読売新聞』は、「安全保障や日本産水産物の輸入停止などの対立点では対話を継続するとともに、経済、気候変動といった分野で協力を進展させ、日中双方の利益を確保する狙いがある」と伝えた。

また、中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の項昊宇・特別招聘研究員は、「戦略的互恵関係の位置づけの再確認には、日本側に戦略的高度と長期的角度から中日関係を把握し、協力・ウィンウィンの大きな方向を堅持するよう促す意図がある。目先の利益だけを見て、小さなことで大きなことを失ってはならない。新しい情勢に適応して偏執的な対中戦略的思考を適時に調整し、政治や安全保障の相互信頼を増進することで、具体的な問題を解決するための条件をつくらなければならない」との考えを示した。

「中日の戦略的互恵関係」を最初に提案したのは日本の安倍晋三元首相だ。2006年の訪中時に提案し、それが中国側の賛同を得た。その後、2008年に胡錦濤国家主席が訪日し、福田康夫元首相と共同声明に調印したが、その正式名称が『戦略的互恵関係の全面的推進に関する中日共同声明』であった。中日双方はその中で、長期的な平和友好協力が双方の唯一の選択肢であると厳かに宣言した。双方は戦略的互恵関係を全面的に推進し、平和共存、代々の友好、互恵協力、共同発展という崇高な目標を実現することを決意した。

中日間には共通の利益の基礎が存在し、「戦略的互恵関係」の提起は両国指導者の戦略的視野と政治的知恵を体現しているが、この目標を実現するには同様に「国家の責任、政治的知恵、歴史的責任」が必要だ。戦略的互恵を語る一方で中国の戦略的利益を損ない、歴史を歪めようとしたり、経済的利益を獲得する一方で安全保障上の政治的対抗をしたりしてはならない。

中日両国が「戦略的互恵」に向かうカギは、文字通り「戦略」と「互恵」の2点にある。「戦略」関係を推進するには、単に経済や民間交流などの関係を推進するだけではなく、政治と安全保障関係を含めた全方位的、大局的な協力関係を推進しなければならない。そして「互恵」とは、一方が利益を受け、一方が損をすることではなく、「ウィンウィン」であるべきということだ。そのためには、自国の政治と安全保障の利益を考慮する時に、相手の政治と安全保障の利益にも配慮しなければならない。

中日両国は共にアジアの重要な国であり、アジアの未来に対して共通の責任を負っている。安定的で互恵的な中日関係は両国にとって極めて重要であり、アジアにとって不可欠であり、世界にとって重要な影響力を持つものである。そのために、両国はより高い立ち位置に立脚し、より広い視野を持ち、平和、協力、包容、融和を核心とするアジアの価値観を発揚し、真の多国間主義を実践し、開放的な地域主義を発揚し、地域一体化のプロセスを推進し、世界的な挑戦に共同で対処しなければならない。

Share this story on

Messenger Pinterest LinkedIn