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【観察眼】中国の最高指導者が豪首相と話した4文字の内容

CRIPublished: 2023-11-09 17:16:55
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中国の習近平国家主席はこのほど中国を公式訪問したオーストラリアのアルバニージー首相と北京の人民大会堂で会談した。習主席は中豪両国の交流の歴史を振り返った上で、両国関係、アジア太平洋地域および世界の発展をめぐってアルバニージー首相と踏み込んだ話し合いを行った。その中で習主席は多くのことを語ったが、その中身は「承前啓後(昔からのものを受け継いで未来へつなげていく)」の4文字に集約することができる。

習主席は会談の冒頭で、今年はウィットラム元首相の訪中50周年にあたり、アルバニージー首相の今回の訪問は過去を引き継ぎ、未来を切り開くものと言えると述べた。1972年末、当時のオーストラリア首相のウィットラム氏は多方面からの圧力を乗り越えて中国と国交を樹立し、1973年10月末から11月初めにかけて初めて訪中した。あれから50年後のアルバニージー首相の今回の訪中も、中豪両国関係のどん底状態が数年も続いた中での「氷を砕く旅」となった。また、50年前にウィットラム氏は北京の天壇を訪れていたが、50年後のアルバニージー首相はわざわざウィットラム元首相の足跡をたどって北京のシンボルとされる天壇を見学した。アルバニージー首相の今回の訪中のタイミングとその「先人が歩んだ道を再び歩む」動きから、オーストラリア側が初心を振り返り、対中友好協力関係を再構築するという前向きなシグナルが読み取れる。

習主席はまた、中豪両国には歴史的な葛藤がなく、根本的な利益相反も存在せず、互いに信頼し、互いに成功させるパートナーになれると指摘した。この発言にも「承前啓後」の意味合いが込められている。つまり、習主席は、中豪両国が関係発展にとって生まれつきの有利な条件を大切に継承し、二国間、地域、さらには世界範囲で相互に尊重し、相互理解と信頼を増進して、両国の共通した利益という視点から互恵協力を推進していくよう期待しているということだ。両国が国交を樹立して以来、二国間貿易額は当初の1億ドル未満から2022年には2209億ドルに上った。中国は長期にわたりオーストラリアにとって最大の貿易パートナー、輸出市場と輸入元という地位を維持しており、オーストラリアは中国にとって重要な原材料輸入元となっている。今後、両国には従来の貿易分野のほか、教育、観光、気候変動対応、クリーンエネルギーなどの分野での協力にも広い余地があり、関連協力は双方の互恵ウィンウィン関係をけん引する新たな成長分野になると予想されている。

このほか、習主席は「小さな庭と高い壁(中国に対する技術・産業・貿易面の遮断)」「デカップリング」などの保護貿易主義的なやり方や、「小サークル」「小集団」の構築などアジア太平洋地域を混乱させようとする企てに対しては、警戒し、断固として反対しなければならないと強調した。この発言には、冷戦思考を捨て、客観的かつ理性的に対中関係を見るウィットラム元首相の知恵と先見をオーストラリアが継承した上で、過去数年、オーストラリアが某国の反中政策に盲目的に追従して自国の利益を著しく損なった教訓をくみ取り、人類運命共同体の高みから中豪関係の発展方向を見極めることへの期待が込められている。

喜ばしいことに、昨年5月のアルバニージー首相就任以来、中豪関係は回復の兆しを見せている。特に昨年11月に両国の指導者がバリ島で会談してから、双方の各レベルの交流が頻繁に行われ、経済、教育、観光、地方などの交流も徐々に回復している。現在上海で開催中の第6回中国国際輸入博覧会には、オーストラリア企業約250社が出展しており、その数は過去最多を記録した。

今回訪中したアルバニージー首相は、今後50年およびそれ以降もウィットラム元首相が訪中で見せた前向きな精神に基づいて豪中関係を発展させていきたいと述べた。

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