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【観察眼】人気上昇中のライブコマースから中国経済の旺盛な活力を垣間見る

CRIPublished: 2023-10-24 14:06:17
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「ライブコマースで買ったセーターが届いた。安くて質がいいの」――。中国の女性たちの日常会話ではライブコマースがよく話題になる。人気が日増しに上昇中のライブコマースは、中国経済を観察する窓口だ。

近年ではテレビ局のキャスターの多くが退職して「ライブコマース+電子商取引」関連に転職している。全国的に名を知られるキャスター数人が前後してテレビ局を離れてライブコマースを始めたことは、ネット上で大きな話題になった。多くのネットユーザーが「キャスターとして登りつめた最後の仕事がライブコマース」と茶化した。しかしこの事実から、ライブコマース業の収益の高さを見て取ることができる。

中国の多くの県や市はライブコマースの経済効果に気づき、人材育成に積極的に取り組んでいる。地元の産品の販路を開拓して、農村部の経済振興に結び付けるためだ。河北省の阜平県は19日、「万物がライブコマースで売れる。誰もがライブコマースで売れる」という趣旨のライブコマースの配信コンテストを実施した。また各地の政府関係者が、ライブコマースの配信者に変身し、スタジオに姿を現すようになった。湖北省荊門市の孫兵市長はライブコマースで地元の特産品の蝋香鶏(鶏の加工食品)をアピールした。陝西省周至県、寧夏ホイ族自治区同心県、陝西省宜川県などの県長も相次いでスタジオに入り、ネットユーザーに地元の特色ある農産物を推薦した。ライブコマースを通じて利益を上げる県や市が増えつつある。

年に一度のECセールの「双十一(ダブルイレブン」が間もなくやってくる。各ECプラットフォームが改めて熱気を帯びるようになった。京東や天猫などの従来からのプラットフォームが力を入れているほか、今年は中国版インスタグラムの小紅書も「ダブルイレブン」に積極的に参戦すべく、準備を進めている。同期間中に関連ページのアクセス数100億を実現するために、1億元(約20億円)の資金を投入するという。特筆すべきは、一人のファッションブロガーが小紅書で10月15日に2回目に行ったライブコマースで売上高が1億元(約20億円)を超えたことだ。売上高は5月に行った初めてのライブコマースの数倍になり、同ブロガーは小紅書のライブコマースで初めて1億元を突破した配信者になった。

各プラットフォームの優秀な配信者のライブコマースでは視聴者数が数百万人、さらには1000万レベルに達することがある。ある有名な配信者を例にとると、昨年の「ダブルイレブン」のイベントがスタートした10月24日夜に実施したライブコマースでは数時間で視聴者数が1000万人を突破した。約155の商品リンクが設定され売上高は約2億1000万元(約40億円)と推定されている。ライブコマースでは配信者が商品を紹介する丁寧さと熱心さ、購入側の買い物に対する情熱、人気商品の販売の盛り上がりが印象的だ。各プラットフォームは今年の「ダブルイレブン」の前哨戦を繰り広げており、今年もショッピングブームが巻き起こると予想されている。

中国商務部の発表によると、今年第3四半期(7~9月)に、全国のライブコマースによる売上高は前年同期比60.6%増の1兆9800億元(約40兆円)で、ECによる小売総額の全体の18.3%を占めた。また、活動を続ける配信者数は前年同期比164.3%増加の337万4000人に達した。

中国人の経済建設分野における聡明さや勤勉さについて、世界の衆目は一致している。過去数十年にわたる中国経済の急成長が、最も良い証左だ。現在のライブコマース産業の急速発展は、その裏に管理者や従事者一人一人の知恵と勤勉さがあったからこそだ。統計指標と比べても、目に見える市場の活力は、国民経済の強力な内生動力をより直感的に示している。ライブコマースの人気の高まりや盛んな発展を支えるのは、人々の旺盛な消費需要と購買力だ。ライブコマースという小さな窓から、中国経済発展の強大な動力と旺盛な活力を垣間見ることができる。

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