【観察眼】蘭花賞は世界の文明の花を咲かせる
第1回蘭花賞授賞式が9月8日、北京で行われた。蘭花賞は、全人類の共通価値を発揚し、中国と外国の文化交流と文明の相互参照を推進するために際立った貢献をした国際友人を表彰し、その功績を称えることを目的としている。今回は、米国のジョゼフ・ポリシ氏、日本の竹内亮氏ら10人が受賞した。
蘭は、中国の伝統文化における「君子の花」であり、中国文化の精神的象徴である。人類の運命が苦楽表裏一体の今、世界平和と人類の進歩は世界中の人々の共通の願いであり、人文交流を深め、相互理解を増進することは各国人民の普遍的な期待であり、より多くの文化使者が多様な文明の交流と相互参照を推進するよう世界が奨励し、導くことが真に必要である。
中国外文局が発起し、世界に向けたこの国際文化大賞では、ニューヨークのジュリアード音楽院の元学長で、天津ジュリアード音楽院の名誉学院長であるジョセフ・W・ポリシ(Joseph W.Polisi)氏が生涯栄誉賞の唯一の受賞者となった。ポリシ氏は米国芸術科学アカデミーの会員であり、音楽教育者でもある。彼は長年、中米両国が手を携えて共に前進し、両国および世界の文化の発展を後押しすることに尽力してきた。彼の努力により、天津ジュリアード音楽院と天津音楽学院ジュリアード研究院が2021年に落成し、中米両国の民間友好を促進するために新たなプラットフォームを構築し、新たな弾みをつけた。「この賞をいただけて光栄です!」受賞後、ポリシ氏は、「今後も音楽と芸術を通じて東洋と西洋の対話を促進し続け、文化の懸け橋を築き、両国の距離をより近づけられることを願っている」と興奮気味に語った。
音楽は国境を越える言語であり、人類共通の価値や共通の感情を音符やビートに変える。それはドキュメンタリーも同じだ。今回、友好の使者賞に日本人ドキュメンタリー監督の竹内亮氏が選ばれた。近年、竹内亮は『お久しぶりです、武漢』『長江天地大紀行』『私がここに住んでいる理由』など、中国を題材にしたドキュメンタリー作品を数多く製作し、中国だけでなく日本の視聴者からも注目を集めている。2020年、竹内監督が撮影した武漢の新型コロナウイルス感染症との闘いを描いたドキュメンタリーは、再生回数が4000万回を超え、見る者を感動させた。竹内氏はまた、南京の防疫措置の実体験を日本の観客に見せたが、疑問の声も上がっている。これを竹内氏は意に介することなく、記録を通して中国の新型コロナウイルス感染症による死亡率が2%であったことの背景には、中国人一人ひとりの努力があったことを日本の人々に伝えた。竹内氏は蘭花賞受賞後のインタビューで、「他の受賞者は皆、非常にベテランで有名な人ばかりで、自分はおそらく最年少の受賞者であり、大変光栄に思っている。現在、中日関係が比較的緊張状態にある中で、主催者からこの賞が贈られたことは、私に勇気を与え、私とチームの努力が認められたことを意味している」と語った。
国の交わりは民と民の友情にあり、民の友情は心と心の繋がりにある。文明が異なれば価値の意味合いに対する認識も異なるが、あらゆる国の人々のより良き生活へのあこがれは相通ずるものである。蘭花賞は、世界文化の花、世界の文化と芸術の花、世界文明の花を咲かせ、融合させるだろう。