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【観察眼】「スポーツ+」 中国人の生活をより美しく健康的に

CRIPublished: 2023-08-07 10:26:12
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8月8日は中国の15回目の「国民運動の日」だ。2008年北京五輪は8月8日に開会したので、「国民運動の日」の設立は北京五輪を記念し、国民の運動意識を高め、健康的なライフスタイルを提唱するためだった。中国ではそれ以来の15年間で、さまざまな運動場やスポーツ施設が雨後の筍のよう出現した。運動施設が大いに普及し、運動活動もより多様化・科学化・スマート化され、人々の生活に新しい風を吹き込むようになった。

特に今年、四川省成都市で開催中のFISUワールドユニバーシティゲームズ(成都ユニバ)や間もなく杭州で開幕するアジア大会、中国全土を席巻した農村バスケットボールリーグの「村BA」や農村サッカーリーグの「村リーグ」など、スポーツや運動関連の話題が中国で人気が沸騰するトピックスになっている。

北京五輪と北京冬季五輪を契機に、多くの運動施設やスポーツ公園が市民の生活圏に現れた。街角の公園でも市民広場でも、至るところで運動施設や機材を見かける。多くの公園にはスマート運動施設、スマート運動ステーションが設置された。スマート運動歩道を歩くと、歩道沿いにあるスクリーンで自らの移動距離やカロリー消費量、心拍数などのデータや運動の効果を直ちに把握できるし、同じ歩道で運動している人のデータとの比較もできるから、よりスマートで科学的に運動を楽しめる。

一方で、運動場などスポーツ施設の増加により、スポーツや運動の種類の選択がより多様化し、選択の自由度が増した。ジョギングや登山、サイクリング、水泳、球技などの従来型の種目以外にも、フェンシング、馬術、アイスホッケー、フリスビー、スキー、トランポリン、ボルダリングなどの新たな運動が流行しつつある。国民の間で運動の意識がより高まり、ますます多くの中国人が体を動かすことで余暇を過ごし、生活への情熱を燃やすようになった。

スポーツは国民の健康に関連し、経済や社会の発展にもつながる。運動を楽しむことが新たなライフスタイルとなり、スポーツ用品の購入、スポーツ教室への参加、新しいスポーツの体験、試合の観戦、運動施設や設備のレンタルなど、スポーツ関連が国民の消費生活の新たなポイントになりつつある。

中国国家統計局によると、中国では2012年以来、新しい消費志向の代表とされる教育・文化・娯楽・スポーツ関連の消費支出が顕著に増加してきた。中国では2025年までに、スポーツ産業の規模は5兆元(約100兆円)に達する見込みだ。スポーツが経済と社会の発展を押し上げ、全国民によるスポーツ消費の新時代を迎えている。

同時に、多くの地方では「スポーツ+(スポーツ・プラス)」のビジネスモデルが創出され、住民には恩恵がもたらされ、かつ地方の振興が後押しされている。

例えば、中国西部の寧夏回族自治区にある賀蘭山運動レジャー公園はかつて、地上に大小の溝が縦横に走る廃坑跡だった。しかし現地は数年間にわたる改修によって、エコ観光や運動レジャー、ワイン文化の体験を一体化したスポーツテーマパークに生まれ変わった。毎年ここで開催されるワインマラソンは世界各地のランナーを引き付け、地元は特色あふれるスポーツの町として有名になった。

中国東部の浙江省寧海県許家山村には「伝説の歩道」がある。2009年に誕生したこの歩道は中国初の国家クラスの登山運動歩道で、この歩道を利用してさまざまなアウトドアの関連試合が開催される。この地はまた、オートキャンプ場やテントホテルなどのレジャー施設が整備されたことで、中国全国のアウトドア運動愛好者の「聖地」になった。かつては無名だったこの「石ころだらけの村」に、今では年間60万人以上の運動愛好者が訪れ、村民の収入は10倍以上にも増えた。

中国が提唱する国民スポーツは、単に体を鍛えるだけでなく、より合理的な運動理念で実現させる科学的で健康的なライフスタイルだ。2019年に発表された「体育強国建設綱要」が定めた目標では、中国のスポーツ産業は2035年までに国民経済を支える重要な産業になり、スポーツ産業がGDPに占める割合は現状の1%前後から4%にまで上昇する。中国のスポーツ産業のイノベーションと発展は、国民がよりすばらしい生活を追い求めることを助け、世界にはより多くの恩恵をもたらすことになる。

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