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【観察眼】米国は台湾を「火薬だる」にするつもりか

CRIPublished: 2023-08-06 17:01:27
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米国政府はこのほど、台湾地域に3億4500万ドルの軍事援助を提供するとウェブサイトを通じて発表した。米国防安全保障協力庁(DSCA)は1カ月ほど前の6月29日、総額は4億4000万ドルと推定される台湾への新たな武器売却を発表した。同件はバイデン大統領の2021年1月の就任以来、10回目の対台湾武器売却だった。米国はこれほど多くの武器を台湾に送ることで、台湾を「火薬だる」にするつもりなのだろうか。

注意すべきは、米国政府が従前の武器売却とは異なり、軍事援助の形で台湾に武器を提供することだ。報道によれば、米連邦議会は2023年度の国防授権法(NDAA)で、台湾に対して10億ドルの軍事援助を提供する権限を大統領に与えた。このことで、バイデン政権は、米国の現有兵器の中から選んで、台湾にいわゆる「軍事援助」を提供することができるようになった。

米国は40年以上前の1978年に、「台湾の経済力は十分だ」との理由で台湾への軍事援助を暫定停止したが、今回は再び実施することになった。「軍事援助」の方式ならば、現有兵器を利用するために注文や製造などの手間が省け、武器をより早く届けることができる。バイデン政権のこうした動きは軍事面から言えば、より実戦的で挑発的な意味合いが強いとみられている。

ロイター通信は5月5日の時点で関係者の話として、バイデン政権が「ウクライナ支援に類似した方法」によって緊急権限を発動し、台湾に5億ドル相当の武器を提供する計画と伝えていた。5月末に台湾に到着したとされる支援用武器には携帯式防空ミサイルシステム、FIM-92 スティンガーなどの武器が含まれており、兵士一人当たりの防空作戦能力の増強を目指す意図があるとされる。また、これらの武器は機動的運用に適し、使いやすいので、戦闘機や戦車に効果的に対抗することができるとされる。米国はまさに兵士個人の作戦遂行の柔軟性と隠密性という特徴を利用して双方の軍事対抗をさらに激しくすることを望んでいる。

アカデミー賞作品賞を受賞した米国の名画『プライベート・ライアン』は、米軍には兵士一人の命を救うために代価を惜しまない精神があることを描いた。だが台湾の兵士の場合は、こうした携帯式武器を操るだけの「捨て駒」にされてしまうのだろうか。米国の目的は非常に明確で、台湾の兵士が受けることになる損害は気にせずに、台湾を利用して中国大陸を消耗させることだ。台湾が中国大陸に勝てないことを知っていても、中国大陸の実力を消耗させるためには台湾を最大限に利用するというのだ。

米国本国が直接に参戦した戦争は、ベトナム、イラク、アフガニスタンのいずれにおいても大量の人と物資を消費する一方で、効果は満足できるものでなかった。米国がむしろ得意とするのは、武器を提供した上で戦いは傍観して、「漁夫の利」を得ることだ。「台湾の民衆を守るために、それほど多くの武器を台湾に送るのだ」――このような考えはあまりにも無邪気だ。米国は一貫して「米国優先」を信奉しており、何の利益も得られないならば、動かなかった。台湾を「火薬だる」に変えて戦争のリスクを高め、台湾問題を利用して中国の発展を抑制し、世界における自らの覇権的地位を確保することこそが、米国の陰険な下心だ。しかし、米国は思うがままに振る舞うことが決してできない。陰謀は上手くいかない。なぜなら、台湾人を含めて、中国人は受け入れないからだ。

米国は台湾の真の安全を考慮しないだけでなく、実際には日本を含むアジア太平洋地域の平和的発展や人々の安全も考慮していない。米国は「米国優先」に尽力するだけで、米国のとっては同盟国も含めてすべての国が、自国のために「火の中も水の中も辞さない」動きをしてくれる将棋の駒にすぎない。

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