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【観察眼】古代と現代の衝突が伝統文化とデジタル文明の融合に

CRIPublished: 2023-06-29 10:41:47
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今日の世界では、デジタル技術が人類社会のあらゆる分野とプロセスに全面的に溶け込みつつあり、人工知能(AI)はすでに人類文明の進歩を示す重要な指標となっている。新技術、新産業、新業態の絶え間ない出現は、現代世界の経済発展における重要な変数となり、AI技術の変革は現代の経済や社会の発展を推進させる根本的な動力となっている。

こうした状況の中、6月25日〜27日、「世界インターネット大会・デジタル文明尼山対話」が山東省曲阜にある尼山で開催された。今大会のテーマは、「人工知能時代:交流、相互参照、包容のデジタル世界の構築」。会場では、「安全で信頼できるAIの構築」「AI時代の人類文明はどこへ向かうのか」などを議題としたディスカッションが行われた。世界のインターネット発展のトップイベントである「世界インターネット大会」は浙江省烏鎮で9回連続開催されており、今回の「尼山対話」は同大会が開催する初の専門性を持った国際的な会議だ。「尼山対話」は伝統と現代のぶつかり合い、技術と文化の融合でもある。

偉大な思想家であり、教育者である孔子が生まれた地として知られる尼山は、儒家思想の源であり、中華伝統文化の根脈でもある。仁愛を重んじ、誠実を守り、正義を尊び、大同を求めるなどの儒家思想の理念は、中華の伝統的美徳、民族精神の核心的要素である。また、世界の多元的な文明の調和を支える思想理念の礎であり、人類文明が蓄積してきた貴重な精神的財産でもある。世界インターネット大会の事務局長を務める任賢良氏は、「デジタル文明対話を開催地に孔子の生誕地かつ儒家思想の発祥地を選んだのは、AIがどのような形で人類文明の発展に寄与するかを模索し、デジタル時代における歴史的および文化的時代の価値をよりよく活用することを促進し、人類文明の発展と進歩を共同で推進するためだ」と語った。

AIが人類社会にもたらす変革は我々の想像をはるかに超え、人間と機械の協働、国境を越えた融合を推進し、人類の福祉を強化する一方で、倫理的ガバナンスがAI分野において重要な命題となっている。

中国の電子商取引最大手のアリババグループの会長兼最高経営責任者(CEO)で、クラウドサービス事業の会長兼CEOを務める張勇氏は今対話において、「AI技術は、人類文明の福祉を増進し、現実の問題を解決すべきものであり、高度で安定した技術であるべきで、プライバシー保護とデータセキュリティを重視し、包括性、相互信頼、尊重を示すべきものだ」と強調した。また、360セキュリティ・テクノロジーの創業者である周鴻禕氏も同様の見解を示した。その中で、彼は、「AIの発展は、人間本位を概念とし、大規模な人員削減を引き起こすべきではなく、むしろ企業や政府の従業員の能力や効率を向上させ、最も使いやすいツールになることを支援しなければならない」との見方を示した。

「尼山対話」を起点に、現代のデジタル技術で伝統文化の革新的表現を推進し、優れた伝統文化で現代の科学技術の質の高い発展をエンパワメントすれば、AIを「科学技術の変数」として駆使し、伝統と現代の融合を実現し、デジタル文明の新時代を切り開くことができると信じている。

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