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【観察眼】中日韓経済貿易協力は不景気に逆行して前進

CRIPublished: 2023-01-11 11:40:25
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地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が正式に発効したのは2022年1月1日だった。すなわち、RCEPは発効から1周年を迎えたばかりだ。RCEPは中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の合わせて15カ国が共同で締結した協定であり、総人口、経済規模、貿易総額はいずれも世界全体の約30%を占めている。すなわち世界において経済貿易規模が最大で、カバーする人口が最も多い自由貿易協定だ。同協定は域内の9割以上の品目について関税を最終的に撤廃することを定めている。

RCEPは過去1年間、世界経済の低迷が続く中で、関税の引き下げや原産地累積規則、電子商取引規則などの一連の定めを通じて、各参加国に着実な成長と収益をもたらしてきた。貿易分野では、RCEPを批准した13カ国が、それぞれの関税の引き下げを実施し、相互間の貿易規模の拡大を促した。RCEPでは、投資分野では投資促進、投資保護、投資利便化と自由化などについて、すべての参加国がネガティブリスト方式を採用することを承諾し、投資の魅力を向上し、知的財産権への保護を強化した。RCEPは産業チェーン・サプライチェーン分野では、従来の産業チェーン・サプライチェーンの地域ネットワークを拡張しただけでなく、世界のサプライチェーンにおける競争力と影響力をさらに強化した。

中でも注目されたことは、日本がRCEPを通じて初めて日中、日韓の間での自由貿易協定を締結したことだ。この開放がもたらす恩恵は特に顕著だ。中日韓3カ国は互いに重要な貿易パートナーであり、3カ国合計のGDPや貿易額はRCEP全参加国の80%以上を占める。RCEPの発効と実施は3カ国の経済貿易協力に良好な制度上の枠組みを提供している。RCEPにより、中日間では最終的に関税撤廃の対象となる品目の割合が86%になり、日本から韓国への輸出についてのゼロ関税品目の割合も従来の19%から92%に上昇する。

RCEPの発効以来、中日韓3カ国の経済貿易協力は力強く進められてきた。昨年上半期、中日間の貿易総額は前年同期比10.6%増の20兆3000億円、日韓間では同25.5%増の5兆5000億円に達した。昨年1月から10月までの累計で、中国から日本への輸出額は前年同期比8.1%増で、日本から中国大陸部への農林水産品および食品の輸出額は前年同期比24.5%増の2293億円に達した。中国はもはや、日本にとって世界最大の農林水産品および食品の輸出先だ。また、日本の対中投資は実行ベースで36.8%増えた。さらに、RCEPの枠組みの下で、中日韓は機械製造、自動車製造、光電気設備製造などの分野で協力を進め、新技術や新エネルギーなどのハイエンド製造業における3カ国の協力の基礎が築かれた。中日韓にはサービス貿易、デジタル経済、スマート製造、金融保険などの産業分野で将来、いずれも広大な協力の潜在力と発展の余地が存在する。

日本貿易振興機構(JETRO)成都事務所の森永正裕所長は、RCEPにより日本とその最大の貿易相手国である中国が同じ貿易枠組みに組み込まれたことは、日本にとって重要な意義を持つとの見方を示した。JETRO傘下の研究機構であるアジア経済研究所の試算によると、中国がRCEPに参加しなかった場合、最も深刻な影響を受ける国は日本だった。森永所長も、中国が参加しなかった場合、RCEPが日本にもたらす恩恵は大幅に減っていたとの考えを示した。

RCEPはすべての参加国に中国の開放によるチャンスと発展による恩恵を存分にもたらすものだ。中国とRCEPの他の参加国の貿易総額は昨年1月から11月までの累計で、前年同期比7.9%増の11兆8000億元(約230兆円)に達した。ラオスやタイなどRCEP参加国の農産物を載せた「果物専用列車」は中国・ラオス鉄道によって絶え間なく広大な中国市場に向かっている。

中国は一貫して、真の多国間主義と自由貿易を提唱し、また実践している。RCEPの活力と生命力が今後、さらに際立つものになることが期待されている。中国は引き続き、開放型世界経済の構築を推進し、反グローバル化や一国主義による打撃に対して協力と発展の大きな旗印を高く掲げ、世界経済の回復に地域の駆動力を注ぎ込んでいく。

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