【CRI時評】米国は「ノルドストリーム事件」の疑問に率直に答えよ
しばらく静まり返っていた「ノルドストリーム」が破壊された事件が、このほど「センセーショナルなニュース」として伝えられた。
米国の著名な調査報道記者シーモア・ハーシュ氏は消息筋の話をもとに、バイデン政権がロシアから欧州に天然ガスを輸送するパイプライン「ノルドストリーム」の爆破を画策していたという記事を発表した。ハーシュ氏の米マスコミでの評判や業務上の能力、事の経緯を記事の中で詳細に書いていることを考えると、多くの専門家は根拠のない噂に基づいた報道である可能性は低いと見ている。だが、米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)、米中央情報局(CIA)、米国務省など多くの機関は、ハーシュ氏の暴露は「全くのフェイクで、作り話だ」と否定している。一方、ビッグニュースに「敏感な嗅覚」をもつ西側の主要メディアは、今回ほぼ集団で声を発さなくなった。
約4カ月余り前、「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」のスウェーデンとデンマークに位置する付近の海域の4カ所でガス漏れが起こった。スウェーデン測量局は、ガス漏れが起こった海域で大きな水中爆発を検知した。ロシアとウクライナの衝突がエスカレートし、世界的なエネルギー価格が高騰する中で、「意図的な破壊」との見方が広がっている。
今回、ハーシュ氏の暴露によって、世界を騒がせる事件が再び明るみに出た。ハーシュ氏の報道には詳細な情報が多く含まれており、米政府は「フェイクニュース」という軽い一言でごまかすことはできない。同政府の回避的な態度は、逆に事件発生以降、疑念の目が米国に向けられるという結果になった。
一貫して「センセーショナルなニュース」にしがみついてきた西側メディアが、ハーシュ氏の報道が出てから、ほぼ集団で声を発さなくなったのはなぜか。ここ数日の西側の主要メディアの報道を検索すると、「ノルドストリーム」破壊事件は、当初は詳細な報道があったのに対し、今回は非常に静かに見えることがわかった。人々は以下のことを問いたくなるだろう。西側メディアが「ノルドストリーム」事件に関心を持っているのに、なぜこれほどの大きなニュースに見て見ぬふりをするのか。西側メディアが標榜するプロ意識や客観的独立はどこにあるのか。誰が彼らを意図的に黙らせているのか。
「ノルドストリーム」は国境をまたぐ重要インフラだ。このパイプラインが破壊されたことは世界のエネルギー市場と世界の生態環境に大きなマイナスの影響をもたらすため、この事件の背後にいる者は責任を追及されなければならない。今回のハーシュ氏の調査報道は「ノルドストリーム」事件の調査に重要な手がかりを提供した。各方面はそれを糸口に真相に辿り着けるよう調査を行わなければならない。「ルールに基づいた国際秩序」をよく口にする米国は、国際社会の疑問に率直に答え、多国間の共同調査に協力し、世界に責任ある説明をしなければならない。「ノルドストリーム」事件の真相をうやむやにしてはならない。世界は正義と真実を求めている。