No.158冬季オリンピック会場の愛称を覚えよう(下)
雪飞天
フリースタイルスキーとスノーボードのビッグエアが行われた、その名もビッグエア首鋼。中国語での正式名称は「首钢滑雪大跳台」といいます。
「首鋼」というのは、中国の大型鉄鋼企業「首鋼集団」のことで、かつては北京市の天安門を通る長安街の延長線、石景山区——この放送局と同じ区にありましたが、その後、河北省へ引っ越しました。
その「首鋼」の跡地が冬季オリンピック公園として再建されたことで、4基の工業用冷却塔を背景にしたユニークなジャンプ台、ビッグエア首鋼が誕生しました。
ビッグエアの常設会場はここが世界初で、今後も様々な競技やトレーニングのほか、文化的なイベントや市民イベントにも利用される予定です。
そして、肝心の愛称は「雪飛天」といいます。飛天とは、つまり天女のこと。その流れるようなフォルムは、天女を描いた敦煌の壁画「飛天」をモチーフにしているのです。
雪游龙
北京市北西の延慶区にある「国家雪车雪橇中心(国家スライディングセンター)」、愛称は「雪游龙」です。山の尾根に設置された曲がりくねったコース全体の形が、山間に巣くう龍のようであることから、「雪游龙」と呼ばれます。
国家スライディングセンターは、中国では初、アジアでは3番目のスライディングトラックで、2,000席と立見用の8,000席があります。
冬季オリンピック終了後は、国際大会の開催や、中国ナショナルチームのトレーニング施設として使用される予定です。
雪飞燕
「雪游龙」と同じく北京市北西の延慶区にある、「国家高山滑雪中心(国家アルペンスキーセンター)」。愛称は「雪飞燕」です。
「飞燕」は吉祥をイメージする鳥で、国家アルペンスキーセンター山頂の平台から出発すると、ツバメが翼を広げて飛び出しそうな感じがします。
国家アルペンスキーセンターは7つのコースで構成され、最大垂直落下距離は900メートルに達します。
会場には観客席5,000席と立見席3,500席があり、冬季オリンピック後は国際大会や選手のトレーニングに使用される予定です。
雪如意
河北省の張家口市崇礼区にある「国家跳台滑雪中心(国家スキージャンプセンター)」は、「雪如意」の愛称で親しまれています。
「如意」とは、僧が読経や説法の際などに手に持つ道具です。孫の手のような形状をして、笏(しゃく)と同じく権威や威儀を正すために用いられるようになりました。「如意」という言葉には「思いのまま」という意味もあります。本来は孫の手の様に背中を掻く道具で、意の如く(思いのままに)痒い所に届くので、如意と呼びます。
「雪如意」は、この如意にインスピレーションを得てデザインされたもので、北京冬季オリンピックのスキージャンプとノルディック複合のジャンプの舞台でした。今後は、中国ナショナルチームのトレーニング施設や観光リゾートとして利用されます。