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都市のソング(前編)

CRIPublished: 2021-05-31 12:52:00
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世界の都市は、じっくり味わえば、いつでもその唯一無二の魅力に気づくことができます。また、独特の味わいのある歌だけで人々の憧れを惹きつける都市もありますが、それが音楽の魅力であり、この都市の魅力なのではないでしょうか。「中国メロディ―」は人々に愛されている都市のソングを3回に分けて紹介しましょう。

「成都」

2017年、人気オーディション番組「我是歌手(私は歌手だ)」の中国版の舞台では、北京の歌手ジャォ・レイさんが成都で生活していた時の、異郷にさすらう悲しみを歌いました。私を含む多くの人はこの歌を聞いた時から成都という都市に何とも言えないあこがれの気持ちを抱きました。

イメージの中で成都はのんびりした都市で、至る所で人々が中国式の茶屋や洋式の喫茶店の中で、ゆっくりと生活を楽しんでいるそうです。歌詞には「涙をこぼしたのは昨夜の酒だけではなく、私が名残惜しいのはあなたの優しさだけではない。成都の街を歩いて、すべての明かりが消えても止まらない」と書かれています。多くの人はジャォ・レイさんが成都の女性と熱愛した経験があるから、このような感動的な歌を書いたのではないかと推測しています。しかし、ジャォ・レイさんは、この歌は誰かに捧げるラブソングではなく、この都市に捧げるラブソングだと言いました。この曲は素朴なフォークソングスタイルで多くの人を魅了し、2017年に大ヒットした一曲となりました。

「北京北京」

「北京北京」はロック歌手、汪峰が故郷の北京に捧げた感傷的なロックソングです。人々の現実生活に対するしようがなさや、未来に対する憧れと希望を歌いました。

北京は中国の首都として、全国各地から多くの若者が夢を求めて集まる場所です。北京に着いた当初、人々は北京に対してさまざまな幻想を抱きますが、大都市の激しい競争は想像以上にプレッシャーを感じさせます。この「北京北京」という曲は都市で生活する平凡な人々が、生計を立てるために町の隅々まで走り回る情景を歌っています。渇望、彷徨い、哀しみ、絶望などさまざまな感情が絡み合っています。

ここの通りを歩いていると

心は決して穏やかではない

ここで笑っているここで泣いている

私はここで生きてここで死んだ

北京北京

歌詞には、笑っている人、泣いている人、生きている人、死んでいる人など、多くの対比があります。これは、長い間の厳しい競争の末に、夢が破れたり、目標を失ったりして、迷ってしまう人がいることを指しているのでしょう。北京は多くの人が夢を託す場所ですが、人が失望し去っていく場所でもあります。しかし、多くの人がこの愛と憎しみの都市に残って、夢を追い続けています。

「済南済南」

私は千仏山の輪郭を見上げた

目を閉じると大明湖と堀が浮かび

ほう突泉が耳元で噴き上がっている

2018年、陳小熊の「済南済南」はショート動画プラットフォームの「TikTok」で大ヒットしました。歌は済南の名所やグルメを紹介しており、10万人以上の人が「TikTok」にこの歌の動画を投稿しています。また、済南の景勝地やグルメの動画もこの歌を利用してネット上で大ヒットし、多くの若者が済南を観光してきました。人々が歌に描かれている寛厚里、芙蓉街、大明湖などの名所を訪れ、把子肉という肉料理など済南のグルメもヒットしていると言われています。「済南済南」は一躍済南の代表的なフォークソングになりました。

この歌の作詞•作曲•歌唱は済南出身の若手女性シンガー、陳小熊です。曲は彼女が2016年、大学2年生の時にレコーディングしたアルバム「外」の一曲で、故郷への思い出が詰まっていて、多くの旅人の心に響きました。

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