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中国民謡大会国慶節記念特集(前編)

CRIPublished: 2019-10-25 21:25:00
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中央ラジオテレビ総局はこの間、「中国民謡大会国慶節記念特集というバラエティー番組を放送し、大変な人気を集め、かなりの視聴率を記録しました。この番組は、各地の民謡歌手が一堂に会し、多彩な歌を歌ったもので、陝西省の民謡の王と呼ばれる王向栄、蒙古族の歌手・アユンガ、新世代の人気歌手・袁婭維らがそれぞれ故郷を代表して、素晴らしいパフォーマンスを披露しました。中国メロディーは二回に分けて番組の様子をお伝えしましょう。

陝西省の民謡の王・王向栄

迫力満点の太鼓の音の中から、まず登場したのは、陝西省の民謡の王と呼ばれる王向栄でした。「黄河船夫曲(黄河の船頭)」を高らかでうら寂しい声で歌い、勢いよく流れる黄河のほとりへといざなうような気持にさせました。目の前にくねくねと折れ曲がる黄河や数えきれない船、船頭の姿を浮かべたことでしょう。

「黄河の船頭」は、低く重々しいメロディーで、素朴で歴史の変貌を描く歌詞と相まって、黄河を代表する民謡とされています。67歳の王向栄の歌声から、母なる川・黄河への深い愛情が感じられます。芸術一家に生まれた王向栄は13歳の時に父親が亡くなり、暮らしを支えるために石炭の採掘や煉瓦作り、野良仕事など、いろんな苦しい仕事をし、下働きそして喜怒哀楽を体験して、民謡への理解も一段と深まりました。

そんな彼は「いい歌は心から流れ出てくるもので、母なる黄河に抱かれながらも、苦しみを味わわなければうまく歌えない」と感慨深げに言いました。この言葉は、歌声の中から大地への限りない愛情と哀愁を感じさせるものです。

蒙古族のアイドル歌手・アユンガ

続いて登場したのは、蒙古族のアイドル歌手・アユンガでした。蒙古の言葉で「駿馬帰来(駿馬が帰る)を歌い、その深い目つき、迫力ある歌声、堂々とした踊りで、蒙古族音楽の魅力を見せ、会場を楽しい雰囲気に盛り上げました。

アユンガは、北京民族歌舞団のミュージカル俳優で、その表現豊かな歌声は蒙古族の自由奔放な特色があふれています。蒙古草原に生まれたアユンガは幼い時に両親が亡くなり、寂しい日々の中、音楽だけが心の慰めでした。放牧の時はいつも歌を口ずさんで草原を駆けまわり、数百匹の羊が熱心な観客になりました。

今、アユンガは優れた歌唱力とダンスで、ミュージカルの貴公子と言われています。また、明るく陽気なイメージで蒙古族の新世代のアイドルとも言われています。そんなアユンガは、「草原が魂に潜む誇りを与えてくれた。魂で歌う新世代の蒙古族になりたい」と話しました。

新世代の人気歌手・袁婭維

そして、中国の新世代の人気歌手・袁婭維は、2012年にオーディション番組「ザ・ヴォイス・オブ・チャイナ」で頭角を現し、去年に中国国営テレビCCTVの年越し番組「春節の夕べ」に出演して、ポップス界で地位を固めました。

日本で音楽留学した経験のある袁婭維は、凛と透き通る歌声で、ジャズの魅力を感じさせます。今回の番組では、ジャズのムードを江西省の民謡「映山紅」に取り入れて独特なジャンルを作り上げ、美しくて切なく、温かい歌声が観客の心に響きました。

番組の中でお送りした曲

1曲目黄河船夫曲

この曲は、年配の船頭が黄河のことを話す情景を表す歌で、味わい尽きない歌声から陝西省の民謡ならではの魅力が感じられます。

黄河にはいくつの湾曲があるか知ってるか

いくつの湾曲にいくつの船があるか

いくつの船にいくつのマストがあるか

幾人の船頭が船を進めているか

2曲目駿馬帰来

息つく暇もなく帰る

久しぶりの故郷

あの限りない思いが

四季の移り変わりで迫ってくる

3曲目映山紅

歌詞:

真夜中に夜明けを待ち望み

真冬に春風を待ち望む

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