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中国SF映画の超大作「さまよえる地球」

CRIPublished: 2019-10-11 20:43:00
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うららかな秋晴れが続く10月の北京。今週の中国メロディーは、今年、中国で大人気を集めているSF映画「流浪地球(さまよえる地球)」と、映画の挿入歌をご紹介しましょう。

「さまよえる地球」~宇宙の叙事詩~

今年2月の春節連休中、「さまよえる地球」は売上高42億元(約672億円)で、数多くの映画の中でトップに立ち、中国SF映画の超大作となりました。この原作は、過去に大ヒットしたSF小説「三体」で知られているSF作家・劉慈欣の同名の小説です。

太陽の力が衰えて太陽系が宇宙に呑み込まれ、地球が危機を迎える中、各国は連合政府を結成し、世界各地に合わせて1万台もの巨大なエンジンを設け、地球全体を他の太陽系に移す計画を開始します。この壮大な計画を実現するため、数えきれない人々が感動的な物語を綴り上げます。家族の愛、仲間との絆、団結、希望といったポジティブな要素が詰まった作品で、「宇宙の叙事詩」と讃えられています。

この中で、挿入歌やBGMが映画を彩っています。中でも主題歌の「星」は、単純な歌詞と緩やかなメロディーが歌手・楊宗緯の素晴らしい歌声とあいまって、家族の深い愛情が感じられます。楊宗緯の低く沈んだ歌声は独特な味わいがあり、心を温める魅力が溢れる一方、孤独やどうしようもない哀愁も漂います。

中国らしいSF映画

今年は、中国の映画史上でSFが赤丸急上昇、といった年になりそうです。春節の連休で、最も人気を集めた「流浪地球(さまよえる地球)」と「瘋狂的外星人(狂った宇宙人)」は、いずれもSF小説家・劉慈欣の小説をモデルにしたSF映画です。

劉慈欣の代表作「三体」は、中国人なら誰もが知っている大ヒット小説で、三部作あわせて2千万部を超すベストセラーです。2015年、その英訳版がアジア人作家として初めて、SF界最大の賞・ヒューゴー賞を受賞しました。そんな劉慈欣の「流浪地球(さまよえる地球)」は、中国らしいSFのロジカルなアイデアを示すものです。例えば、巨大な災害を前にした際、西洋のSF映画のようにすべてを投げ出して逃げ、新しい家を探しにいくのではなく、愛着を持つ土地、人類の故郷の星・地球とともに宇宙へ、未来へ飛んでいくと決めます。劉慈欣は「地球とともに宇宙旅行することは、中国人が故郷や大地を恋しがる気持ちを現した」と話しました。

「流浪地球(さまよえる地球)」の監督を務めた郭帆は「われわれの文化を背景とするこの映画を子供たちに見てもらい、心に想像の種を撒いて一歩一歩進んでほしい」と話しました。

SF映画における東洋と西洋の共通点・家族愛

映画「流浪地球(さまよえる地球)」は、東洋文化の存在感が強いと見られています。中国らしい親子の愛情は多くの観客を感動させました。エンディングで、広大な宇宙で飛行士の父親が宇宙船に乗って地球を遠く見守るとともに、地球の大地にたたずむ息子も大空を眺めます。親子の間で、広い宇宙を通して心を通わせるシーンを見て、多くの観客が感動の涙を流しました。

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