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【北京冬季五輪注目の選手⑤】フリースタイルスキー・徐夢桃

CRIPublished: 2022-01-31 12:43:00
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第24回オリンピック冬季競技大会は2022年2月4日から20日まで、第13回パラリンピック冬季競技大会は3月4日から13日までの日程で、北京市、延慶区と河北省張家口市の3つのエリアを舞台にそれぞれ開催されます。このコーナーでは、冬季オリンピックとパラリンピックの注目の中国人選手をご紹介します。

傷だらけの両足で挑む、4度目の五輪

資料写真

徐夢桃

1990年遼寧省鞍山市に生まれる

2009年モスクワ開催のW杯で初優勝

2010年バンクーバー冬季五輪で6位

2013年ノルウェー開催の世界選手権で初優勝

2014年ソチ冬季五輪で銀

2018年平昌冬季五輪で決勝進出ならず

2021年W杯優勝が通算26回で世界最多に

出場種目:フリースタイルスキー・エアリアル

資料写真

体操から始まった選手生活

1990年7月、徐さんは東北地域の遼寧省鞍山市に生まれました。父親は大のスポーツファンで、特に体操を見るのが好きでした。娘が体の柔軟性に優れているのに気づき、4歳の時に彼女をスポーツ学校に送り、体操の練習を始めさせました。徐さんは身体能力が優れている上に勤勉であるため、進歩が速く、8歳の時に遼寧省の代表チームに入りました。2002年、遼寧省で行われた選手権で跳馬、平均台、ゆかの3種目で優勝しました。

フリースタイルスキーに転向

しかし、徐さんは身長が伸びるのが速く、骨格の成長の勢いから、体操を続けるのに相応しくないと判断され、2002年、フリースタイルスキーに転向しました。

体操を練習していた徐さんはフリースタイルスキーの習得が速く、わずか2年で現地のプロチームの一流選手に成長しました。

2005年、初の国内大会優勝を果たし、2007年、中国選手として初の世界ユース選手権優勝を勝ち取り、同年7月には、国家代表チーム入りを果たしました。

故障を抱えながら五輪金を目指す道

2007年の全国選手権で、右膝の前十字靭帯断裂という重いケガをしました。手術を受け、足には釘が入れられました。その釘は1年後に取り出す必要がありますが、徐さんは自身初のオリンピックとなる、2010年バンクーバー冬季オリンピックに出る機会を逃したくないと思い、釘を取り出す手術をオリンピック後に延期してもらいました。

2009年、モスクワで行われたW杯で初優勝した後、2010年のバンクーバー冬季オリンピックでは、ケガの影響を受け、6位に終わりました。しかしその後、2011-2012、2012-2013の2季連続でW杯の総合優勝を獲得。2013年にノルウェーで開催された世界選手権でも初優勝しました。

そんな中で迎えた2014年のソチ冬季オリンピック。大会前から金メダル獲得が有望視されていましたが、試合中、ミスを犯して優勝には届かず、銀メダルでした。

その後、金メダルを逃した悔しさから立ち直り、猛練習します。しかしその時、ひどいケガが再び彼女を襲います。2016年の国内大会で、今度は左膝の前十字靭帯断裂。また長い治療や回復を経て、自身3度目のオリンピックに臨みました。

キャリアを賭けた勝負

その時の徐さんは、世界ランク1位、前回のソチ大会で銀メダリストというタイトルを持っていました。「今度こそ金メダルを。金メダルを取れなければ引退する」と、徐さんは決意を持ってアプローチ(助走路)に立ちました。しかし、2018年平昌大会では決勝進出さえできませんでした。試合後のインタビューで、徐さんは「(助走の)スピードが遅すぎた。なぜ遅かったのか自分にもよく分からない。4年後の北京大会までに体が持つかも分からない」と涙ながらに語りました。そして、自身のSNS上で、「さよなら!24年間続いた私の選手生活」と投稿し、引退を発表しました。しかし、しばらくして、もう1本、投稿しました。「やっぱりあきらめたくない。冬季オリンピックを3回闘ってきたあの女の子は、これからも挑み続ける」と前言撤回。

北京大会の夢は金メダルだけではない

もう一度オリンピックに挑もうとジャンプ台に戻った徐夢桃さん。まず、2018-2019シーズンのW杯総合優勝を獲得。そして2021年12月3日にフィンランドで開催されたW杯で優勝したことで、W杯の優勝回数は通算26回になり、世界最多となりました。

その一方、十字靭帯断裂、副靭帯損傷、骨挫傷、半月板切除、関節液貯留など、多くの故障を経験してきた徐さん。北京冬季オリンピックに向けて、「もちろん表彰台の真ん中に立ちたい。しかしそれよりも、中国選手の絶えず上を目指す姿、何があっても諦めずに頑張る姿を世界に見せたい」と語っています。

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この記事をお読みになってのご意見やご感想、または北京冬季オリンピックについての思いやメッセージをぜひお寄せください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn、お手紙は【郵便番号100040中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

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