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中国共産党創立100周年平和的アプローチこそ最大の特徴~歴史学者・石田隆至さんに聞く

CRIPublished: 2021-08-24 19:28:00
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山邉悠喜子さん近況写真

そういう新鮮な驚きと、日本人にこのような影響を与えた中国共産党とはどのような組織なのかを知ってみたいという思いから、いろいろと調べるようになったのが始まりです。

――これまでの研究を通して知ったことは?

大きな特徴の一つとして、自分とは異なる存在、時には敵であるような存在とも、いかにして良い関係を作っていくかということを目指している点にあると感じています。

日本人の戦犯というのは、中国側からすれば、絶対許せない相手ですよね。昔は敵だったわけですし、中国共産党の人達の中にも、自分の家族とか、地域の人達がひどい目に遭った人もたくさんいます。それにもかかわらず、そういう人達に反省するための環境を作ったというのは、その人たちが変わって、良い関係を作り直すことができるだろうというふうに、そういう信念を持って接していたから、できたことではないかなと思います。

さらに、新中国の成立後、「共産国家」ということで西側諸国から敵視される時期が続いていました。それに対しても、力で対抗しようという形ではなく、できるだけ良い関係を作るにはどうすればいいだろうかという接し方をしていました。そういう方針は、改革開放以降も基本的に変わってないと私の目には映っています。

現在も、新型コロナウイルスの発生源をめぐり、中国を敵視しようとしている国々も含めて、世界の人々と一緒に解決していこうとしているのが、今の中国の姿勢だと感じています。

――そういうところも、「人類運命共同体」の共同構築という理念につながった発想と言えるようですね。

そうですね。歴史を振り返れば、そうした平和的なアプローチは中国共産党の様々な時期に貫かれていました。

抗日戦争の時代には、八路軍は日本人の捕虜に対してきちんとご飯を食べさせたり傷の手当てをしたりして、「いつまでも戦争を続けると君自身も危ないから」という形で、いろんな配慮をしてきました。そういう影響を受けて、中には、反戦運動というのを八路軍と一緒に行うような人たちも出てきました。

戦後、日本人戦犯に対しては、「きちんと間違いを反省すれば、いい関係を作って、国際平和を一緒に生み出していけるはずだ」と信じて、6年間、彼らが変わるのを待ち続けたわけです。

日本と国交正常化交渉をした時にも、戦争賠償を請求しないというのは、やはり、「これから日本がきちんと戦争の反省を踏まえた上で、良い関係をつくっていきたい」というメッセージだったというふうに思います。また、旧日本軍が中国に残した毒ガス兵器という歴史の「負の遺産」についても、中国と日本で共同して、リスクを伴いながらも中国国内で処理することになったというのは、やはり「これから一緒に平和な東アジア、平和な国際環境を作っていきたい」というメッセージだと受け止めています。

そういう形で、中国共産党の百年をずっと見ていくと、「人類運命共同体」というメッセージをはっきり言葉にしたのが近年だというだけで、その理念というのはずっと以前からあったように私は考えています。

――最後に、実際に中国で暮らしていて、身近で感じた中国共産党員の姿は?

今の日本では、具体的なことは何も知らないまま、中国や中国共産党について先入観を持っている人が多いのが現実です。私の身の回りにいる中国の学生や市民にも共産党員がたくさんいますが、彼らは社会や地域への貢献を一生懸命やっている人達が多いです。災害時はもちろん、普段から困っている方や、年配者、障害者、貧窮者などに対して、献身的にサポートするような取り組みをしている方もたくさんいます。そういう現実の共産党員の人達がやっていることを知ると、中国共産党といっても何も特別な組織ではなくて、日本や他の国にもあるような、普通の市民たちがより暮らしやすい社会を作るための日々の努力をしている場だといえます。こうした現実を具体的に知ってもらうことも、大事なことではないかなと感じます。

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この番組をお聞きになってのご意見やご感想をぜひお聞かせください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn、お手紙は【郵便番号100040中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

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