ベトナムの反中国を煽動することが米国の利益にならない

2014-06-03 16:56:35

中国現代国際関係研究院 董春嶺

  中国とベトナムは領土領有権や南海での資源開発などをめぐって駆け引きすることがすでに何年も続いていた。小さな衝突や摩擦がたまに発生しているが、双方の外交努力によって、地域情勢を大きく悪化させたことなく、両国関係も相対的に安定した状態を維持している。しかし、2014年5月2日に、ベトナムは中国企業が行っている中国の西沙諸島近海での正常な石油掘削作業に妨害を加えはじめ、自ら進んで紛争を挑発してきた。海上での対抗で、船の体当たりがあったものの、双方はいずれも事件のエスカレートを避けるためのリスク管理に意欲を示した。しかし、米国のラッセル国務次官補の5月7日からのベトナム訪問をきっかけに、事態は一変した。米国の支持を得たベトナムは中国に対抗する立場を固め、記者会見を開いたり事件を大げさに報道したりして、国民の反中感情を煽りたて、ひいては中国の石油掘削現場へ船を増派して妨害を加えたり、ベトナムにある外資系企業を標的とした大規模な破壊・略奪・放火などを放任し、数人の中国人を死傷させる最悪の結果となった。中国とベトナムの普通の外交的紛争から流血衝突までエスカレートしたことの裏には、米国の働きがあることは言うまでもない。米国は中国とベトナムの矛盾を利用し、南海問題を、中国をけん制する重要な「コマ」としている思惑があるだろう。しかし、米国にとっては、「小利に欲を出して大利を失う」という3つの情況が現れる可能性がある。

 第一に、「小さな打算」によって、「大きな道義」を失ってしまう可能性がある。この事件により、中国国民に米国のアジア太平洋リバランス戦略の正体を認識させた。米政府は、そのアジア太平洋リバランス戦略がアジア発展のボーナスを共有し、同盟関係を強め、地域の秩序を守ることを旨とし、中国をけん制するためのものではないと弁解している。しかし、東海問題と南海問題において、米国は幾度も紛争を煽りたて、矛盾を激化させ、リバランスの戦略的な手がかりを模索している。米国の戦略的な注目により、アジア太平洋地域はより平和で安定的な地域になったどころか、地域的な問題への米国の介入と利用により、一層激動する地域となった。アジア太平洋のリバランス戦略が実施される前に、アジア太平洋地域は基本的に安定し、地域一体化が急ピッチで推し進められ、新興経済体が絶えず現れ、世界的な政治の重心と世界経済のエンジンと称されていた。だが、現在、アジア太平洋地域の経済一体化がかく乱され、地域の国々の間に数多くの矛盾が生じ、多くの学者から「第1次世界大戦が再発する可能性は大いにある地域だ」と指摘されるまでとなった。このような状態は米国のアジア太平洋リバランス戦略が求める結果なのか?

 第二に、米国は「小さな戦術」によって、「大きな戦略」を失ってしまう可能性がある。金融危機以降の米国では、景気不振が続き、国際的な信用性がダメージを受け、国家のイメージが悪化し、国民の戦略的自信も失いつつある。オバマ氏は変革の旗印を掲げて大統領の座に着き、弊害を取り除き、経済の実力を再び振興させようとしていた。当時、ユーロ圏では債務危機が持続し、中東と北アフリカでは「革命」が相次ぎ勃発し、アジア太平洋地域の繁栄と安定だけが突出している。オバマ大統領はアジア太平洋地域にスポットを当て、アジア太平洋地域、とりわけ中国の発展ボーナスを借りて国内の経済復興を推進しようとする発展戦略がそもそも賢明なものであると言えよう。しかし、具体的な実施を行うとなると、米国は政治分野と軍事分野への投入があまりにも多く、経済成長への関心が薄く、また中国をけん制する内容がありすぎて、米国自らの発展を促す成分が少ないため、戦略の「異化」を招いた。中国をけん制する小さな戦術が「功を立てた」ように見えるが、最初のマクロ的戦略的目標からどんどん遠ざかっていく結果となった。

 第三に、米国は「小さなコマ」で、大きな「盤面」を失ってしまう可能性がある。そもそも中米にはいかなる主権の争いや領土の紛争も存在しない。しかし、中国周辺の領土や海洋権益をめぐる紛争への米国の過度の介入により、中米関係には大きな影を落とした。米国のアジア太平洋リバランス戦略の本来の目的は、小さな国を利用してコマを動かし、国防費削減の圧力を軽減し、同盟システムを統合することにある。つまり最小の代価を払って最大の利益を獲得するという目論見だ。ところが、米国のアジア太平洋リバランス戦略の方向性にはズレが存在しているため、一部の小国に利用されるツールとなった。第3者要素はますます中米関係を制約する障害となってきている。一部の国は米国という強力な後ろ盾を頼りにし、さらに強硬な姿勢で乗り出し、矛盾を激化させている。こうして、米国は同盟国の利益に否応なく縛り付けられてしまう羽目となった。ある国はいわゆる「中国脅威」を利用して、対米外交で自らの利益を追い求めている。こうしたことに対し、米国は見て見ぬふりをしていれば、散々利用されてしまう結果になるだろう。

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